内容説明
感情が昂ぶると、最悪、死に至る病――『感情性自己免疫疾患』。
そう診断されて以来、僕にとって、感情なんて無価値なものだ。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ――どんな感情も、僕を蝕む存在。
だから僕は、感情を持たない。誰のことも、好きにならない。
そんな僕に向かって、クラスメートの奈々川恵実さんが言い放つ。
「――私は、四東くんのことが好きっ!!」
僕が誰かを好きになるなんて、あり得ないはずだったんだ。
だって誰かを好きになったら、僕は命を落としてしまうのだから。
だけど芽生えていく自分の感情を、止めることはできなくて……。
これは、感情を持たない僕と、感情豊かな彼女の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
40
感情が昂ぶると最悪死に至る病『感情性自己免疫疾患』。そう診断されて以来、感情を無価値なものだと思い生きてきた四東愛都が、笑顔を絶やさない元気なクラスメイト奈々川恵実と出会う青春小説。事情を知らないまま一緒に過ごす時間を増やしていく積極的な恵実、愛都を見守ってきたいとこの春乃と主治医の橙香。命を落とすかもしれないと知りつつも育まれてゆく感情と、大切な存在だからこそ分からなくなってゆく複雑な想いがあって、手放したくない共にありたいと葛藤し続けた二人の選択がとても印象的な物語でした。これは是非読んで欲しいです。2019/07/31
むっきゅー
33
難病もの。感情が高ぶると免疫に体を攻撃され死に至る難病の主人公・愛都と、天真爛漫なクラスメイト・めぐの純愛を描く。初恋は最も感情を高ぶらせるため死に直結するため、愛都の病状の悪化に伴う二人の心情描写が切ない。ボクはサブヒロインで幼なじみの春乃が、めぐと同じくらい愛都を愛しているのに、残酷なほどに報われない描写が凄いと思った。タイトルの台詞は物語の中盤以降のテーマとなるが、最後に二人の選んだ結論がとても良かったと思う。2019/08/09
芳樹
30
感情なんていらないと思ってた。君に会うまでは…。人を好きになると死んでしまう病。感情が高ぶると免疫系がおかしくなる「感情性自己免疫疾患」に罹患したことで感情を失った四東愛都と、感情表現豊かなヒロイン奈々川恵実の純愛物語。「好き!」「幸せ!」と素直に感情をぶつけてくる天真爛漫な恵実と一緒に過ごすうちに、凍っていた愛都の心はいつしか溶かされ、恵実に惹かれていく。愛都の死という結末を避けるため、狂おしいほどに想い合う2人が最後に選んだ道は…。とても感情が揺さぶられる素敵な作品でした。2人の未来に幸あれ。2019/08/04
まっさん
25
★★☆ 可もなく不可もなくといったところ。内容自体は面白いのだがいかんせん展開がテンプレ続きで予想出来やすいところが少し勿体なく感じた。また、個人的に最後の結末があまり好みではなかったというのもあるかもしれない。ただ、表紙と捲った後の口絵のアイデアはかなり刺さった。2019/11/10
ぶなぶな
19
強い感情が自身の身体を蝕む病『感情性自己免疫疾患』に罹る少年と、感情豊かで笑顔の絶えない少女による愛情の物語。こういう話にはめちゃくちゃ弱いんだ。心を押し殺したモノクロの世界に一筋の光が射し込んで、満開の明かりと香りと音色を携えた彼女に世界がカラフルに染められて、そして再び蝕まれる。そんなのは大体分かっていたんだけど、辛い。あなたのことを、嫌いになるから。でも死にゆく自分だけでなく、残される彼女のことを想う彼の決断で救われた。ただそばにいるだけでも、互いに幸せを与え合えるならば、二人の愛情は曇りなく尊い。2019/08/16
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