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内容説明
平安美人の長くまっすぐな黒髪、江戸時代の華やかな結髪とかんざし、モダン・ガールのショートカット。なぜ黒髪は「美しい」のか。数多くの図版と文献を渉猟し、日本の歴史と黒髪の関係性を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chicken Book
10
いつの時代も女性はかわいく美しく見られたい。それが江戸時代の結髪ブームと21世紀の盛り髪ブームに見て取れる。ただし、結髪は不衛生、不経済、不便益であるため、一部の女性が結髪をやめ、束髪を広める運動を始めた。当時の女学生はやはり賢いので色々と効率の悪い結髪をやめたが、しばらくは世間からズボラだ、不美人だという目で見られる。でもやはり、体を動かし、勉強するには髪を無駄に飾る必要性はない。現在ではむしろ校則で髪に関するルールが敷かれるようになっている。そして今度は女学生の側からその縛りに抵抗しようとしている。2021/11/04
はちめ
6
著者の経歴に化粧心理学とあるが、本書は日本における髪型変遷の大まかな歴史を扱ったものである。図版もそこそこ入っていて、古典文学などからの引用も多く、信頼できる内容となっている。本書は2005年頃から流行した盛髪と日本古来の髷との関連性から発想されたとのことだが、今現在はどうなっているのだろうか。直近の流行とのことであるグレイヘアという言い方も知らなかったが、髪型やその言い方が時代の心理を映すということは案外あるのかもしれない。☆☆☆☆2019/08/12