思いどおりになんて育たない - 反ペアレンティングの科学

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思いどおりになんて育たない - 反ペアレンティングの科学

  • ISBN:9784627854314

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内容説明

“魅力的で情熱的...成果主義的な子育てのアプローチへの、歓迎すべき修正案”――『ガーディアン』紙
“親、もしくは親になろうとしている人の必読書”――『ファイナンシャル・タイムズ』紙
“深い調査にもとづく一冊”――『ネイチャー』誌

「ひとりで寝かせるべき?」
「添い寝をすべき?」
「習いごとをさせるべき?」
「それとも、遊びを優先すべき?」

よき親として「すべき」ことは何かを求め、日々悩みが尽きない現代の親たち。しかし、数十年にわたり子どもの学習を研究してきたアリソン・ゴプニック氏によれば、巷の子育ての「べき」論(=ぺアレンティングの規範)には根拠が乏しい。そればかりか、子育てを仕事のように捉える発想自体が、最新の科学的知見に反するのだ。

ほかの動物と比べ、人間の子育てには特殊な点が多い。人間の子どもは、異常に長い期間、親やそれ以外の大人たちから世話を受ける。見る、聞く、遊ぶことすべてを通じて、生まれ落ちたこの世界について知っていく。

・進化の過程で、人間の親子が獲得した「育て、育てられる」関係とは?
・発達研究が明らかにしつつある、子どもの持つ驚くべき学習能力とは?

子どもは親の思いどおりになんて育たない。それこそが、子どもが「学ぶ力」を持って生まれてくる意味なのだから。

発達心理学の第一人者が贈る、優しさと意外性に満ちた、親子の科学。


「アリソン・ゴプニック氏は…当世で最も独創的な研究者の一人である。…加えて、母親でもあり、祖母でもある。その彼女が、世の中にあふれかえる育児書に対する不満をぶつけて書いたのが本書である。…子育て本を書く人も、教育関係者も、親も、子どものことを知らなさすぎる。…大人が思っているよりも、子どもは学習が上手な存在だ。」
――解説:森口佑介(京都大学准教授、『おさなごころを科学する』著者)

目次

イントロダクション
第1章 ペアレンティングに異議あり
第2章 子ども時代の進化
第3章 愛の進化
第4章 見て学ぶ
第5章 耳から学ぶ
第6章 遊びの役割
第7章 成長する
第8章 未来と過去:子どもとテクノロジー
第9章 子どもの価値

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

moshi

17
人間があらゆる環境と時代を生きてこれたのは、変化に強いからである。なぜ変化に強いのかといえば、人間には多様性があるから。だから、子どもを特定のタイプに育てようとするのは無理があるのよという、カリフォルニア大学心理学教授・哲学客員教授のおばあちゃんのお話。動物的にみた時、子ども時代が長いことと学習能力の関係性や親の関わり。子どもはどのようにして世界を学ぶのかなど、興味深い研究がたくさん。後半の哲学的なところでは、もっとちゃんと読まなくてはと思ったけど、示唆に富んだ一冊だった。2021/08/17

ほし

17
良い本でした。親は子どもを育てる時、木工職人のようになるのではなく、庭師のようになるのがよいと筆者は語ります。それはつまり、決まった姿を目指して子どもを育てようとするのではなく、子どもが自ら成長する力を信じて、親は子どもに安全な環境を用意することを大切にするべきだということです。筆者によると、人間の子ども時代が長いのは、その時代にたっぷり遊び、乱雑さと触れることで脳が大きく発達するためだそう。筆者の語る、子どもが大人になった時の価値で、子どもを育てることの価値を測るべきではないという姿勢に深く共感します。2019/11/03

koke

12
育児書売場で買ったが、哲学と心理学の知識がないと読破は難しい。文意に関わる悪質な誤植も多い。しかし無理してでも読む価値はある。根拠の薄い様々な「べき論」を無用にしてくれるからだ。子育ての目的は特定のタイプの大人を作ることではない(子どもで一発勝負の博打をしてはいけない)。子どもは遊びながら勝手に因果関係や社会を学び、新しい技術もすぐに使いこなし、やがて親には想像も理解もできない新しい文化を作っていく。親にできることは、子どもが安心して探検できる豊かで安全な環境を与えることだけだ(子育ての庭師モデル)。2023/08/17

PukaPuka

7
溢れる子育て情報に振り回され、不全感や罪悪感をいつも何となく抱え続けている親にはおすすめ。著者は、親と子の一対一の唯一無二の関わりが大事と言っていて、それぞれがそれぞれに合ったやり方で成長できるよう、安心と安全を提供を提供することが大事と言っている。どうしても子の能力を伸ばさなきゃという強迫観念にかられるが、型にはめ過ぎればむしろ能力の開花を妨げていることにもなる。子育てはそんなに簡単ではないし、その都度複雑な感情に晒されることは必定であるが、本書はそんな親たちへのエールを送ってくれていると思う。2019/08/15

1984

4
ここでの「ペアレンティング」とは子育てにおけるhow toを重視する立場(原題におけるcarpenter:木工職人)。著者は自身の研究等を通して、子どもがいかに自身で生きるための技術や情報を学ぶ力を持ち、親はその土台を整えるgardener:庭師であることが必要であると主張する。発達科学基礎研究の知見が豊富で、社会制度や子育てに関する倫理的議論も含めながら、情報の羅列になっておらず、読みやすくためになるものだった。おすすめです。2019/08/12

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