内容説明
小さな地方ならではのブランディングがある。
2021年1月、著者の松場登美さんは、人口400人の過疎の町、石見銀山を再生・活性化させた功績で
総務省主催「ふるさとづくり大賞」内閣総理大臣賞を受賞した。
町で創業したアパレルブランド「群言堂」を全国展開のブランドに育て上げ、地域の魅力を全国に発信。
古民家(空き家)再生事業で展開した宿泊事業、リノベ古民家住宅で
若い世代の移住・定住を促進し、子どもの人口はじわり増えてきた。
不便で、遠くて、非効率的。
経済から置いて行かれたような小さな地方だからこそできるブランディングとは?
本書では著者の40年にわたる事業と町づくりの軌跡をたどりながら、
地方再生で効果を上げるために大切な考え方とヒントを包み隠さず伝授する。
地方で地域のために奮闘している皆さん、必読の一冊です!
※この作品はカラーが含まれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おせきはん
26
石見銀山の町にUターンして手作りの商品の製造・販売を40年前に始めたご夫妻が、外部の人々の視点・意見も取り入れながら地元の人やものを活かしてきたまちづくりの歩みについて語られています。まちづくりに当たって地域の歴史・文化、日常生活、そして、それらを支える地域の人々が重要な要素であることを改めて認識しました。石見銀山には30年ほど前に行ったきりです。現在の様子も現地で確認したいと思いました。2022/02/13
onasu
20
石見銀山の町、大森町には古い町並が残っていて、そこには40年前に手作りの店を始め、以来町を元気にさせてきたご夫妻がおられて、今では若い人たちを呼び込むまでになっている。山陰に訪れたいところがまた一つ増えました。 好感したのは、古民家を保存するだけでも、観光資源とするのみでもなく、生活の場として、訪れた者もハレの場ではなく、日常の一コマ、あるいは帰郷したように迎えているところ。なので、また来よう(帰ってこよう)になるのだろう。 文章や構成は読みやすいが、内容が自賛一辺倒なのが読みものとしては、やや残念。2022/01/24
ピロ子
4
世の中の流れを読む力が凄い。でも流されない。大森町への愛と復古創新という軸があるから。2022/10/14
mol
4
過疎地の再生に地域資産の活用や取り組む人の意欲&センスが重要なことはわかった。ただ、この手のケースがどれだけ他の地域に役立つのかは難しい。結局、特殊な地域に特殊な人が存在したからできた、という以上の知見は見いだしづらいのはないか。2022/05/01
すくすく
3
群言堂というライフスタイルショップの社長を務める著者が石見銀山のある大森町に移り住んで夫の大吉さんと40年間まちを盛り上げてきたものをまとめた書籍。令和2年ふるさとづくり大賞」内閣総理大臣賞を受賞。一発逆転のまちおこしなどなく、まちの人々と一緒に地道に価値を見つめ直し、身を切り地域に投資をして地に足ついた過疎再生の事例であった。 夫の大吉さんによる石見銀山の世界遺産認定による町のキャパを超えた観光客を受け入れた経験談などは、他の観光地においても身につまされるだろう。2022/11/23