文春e-book<br> 戦場に散った野球人たち

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文春e-book
戦場に散った野球人たち

  • 著者名:早坂隆【著】
  • 価格 ¥1,629(本体¥1,481)
  • 文藝春秋(2019/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163900759

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内容説明

東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑が建っていることをご存知だろうか。
昭和五十六年(一九八一年)、後楽園球場の時代に造られ、東京ドームの完成に伴って今の場所に移築されたこの碑は、先の大戦で戦死したプロ野球(職業野球)の選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立されたものである。「建立の趣旨」として、次のような言葉が刻まれている。

〈第二次世界大戦に出陣し、プロ野球の未来に永遠の夢を託しつつ、戦塵に散華した選手諸君の霊を慰めるため、われら有志あいはかりてこれを建つ〉

この碑には、計六十九名の選手が祀られている。名前の列記の中には、沢村栄治のように一般的に知られている著名な選手の名前もあれば、殆ど無名の方もいる。本書では、この碑に名前の刻まれている野球人たちの中から六名を選び、その生涯を紹介する。

更に、一口に「戦場に散った野球人」と言っても、それはプロ野球の選手だけではなく、学生野球で活躍した者たちも少なくなかったことを踏まえ、「伝説の大投手」こと嶋清一についての章を加えており、計七名の生涯の記録ということになる。この石碑に内包されている血と涙の記憶とは、どのようなものだったのか。時代の不条理とは常に単層構造ではありえず、その実相を描くには百万言あっても足りないが、僅かなりとも鎮魂の一助とすることを目的に著者が精魂こめて書き下ろしたノンフィクションである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッキ@道央民

44
毎年8月には戦争に関連する著作を読んでいますが、図書館で見かけて気になり読んでみました。かつて戦前のプロ野球界や学生野球界で活躍した、沢村栄治、新富卯三郎、あぶさんのモデルの1人の影浦将、巨人の名捕手と言われた吉原正喜、伝説の大投手嶋清一、林安夫、石丸進一。沢村栄治さんは名前は聞いた事はあったけど。野球選手のみならず数多くの将来を嘱望された若者たちの命が戦争により失われたのは本当、残念でならない。今の世で当たり前のように野球を楽しんでいる以前には尊い命を散らしてしまわざるを得なかった若者たちが居たのを2020/08/04

金吾

27
○やりたいことを中断して、戦争に行くというのはどのような気持ちであったのだろうかと考えさせられます。新富選手以外は名前は知っている選手なので、如何にたくさんの野球選手が召集されたのかがわかります。石丸投手の話が印象深いです。2023/04/20

北本 亜嵐

16
東京ドームの脇に存在する「鎮魂碑」大東亜戦争で戦死したプロ野球選手達の御霊を鎮めるために建てられ、「沢村賞」で有名な沢村栄治氏をはじめ68名の選手の名前が刻まれている。筆者は最後に「日本の野球は、先人たちの多大なる痛みがあって・・・」と締めくくっているが、その通りだと思う。好きなチームや選手を応援出来る喜びに感謝。2015/05/29

kiho

15
戦争に奪われてしまった野球人生…沢村栄治さんという偉大な選手の他に、これだけもの、いえここに紹介される方達以外にも野球に心を向け続けた選手がいたことに「ずーん」という重みを感じる☆1人1人の短くとも輝ける野球人生…この本で知ることができたことに“感謝”♪2014/11/28

gtn

10
巨人軍は二度召集されボロボロの沢村栄治に対し、解雇をもって遇した。球団に尽くした彼にとって無念はいかばかりか。そして、三度召集。最期は台湾沖で魚雷攻撃を受け、海の底に沈んだ。巨人軍は彼を英雄として称え続ける義務がある。2018/10/25

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