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内容説明
バブル崩壊がきっかけとなって発生した数々の経済事件。それらはやがて、日本の金融・行政システムをも揺るがし、長年にわたって日本経済を苦しめることになった。「平成」が終わろうとする今、そこから何を未来への教訓とすべきか。新証言や新資料を発掘し、新たな視点から重要な事件を再検証。背後にある深い闇の奥へとわけ入る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
バブル経済当時の状況を銀行を中心にした記事をうまくまとめたものです。当時の新聞記者は本当によく内部までを分析したと感じています。それと比較すると今の記者の記事は忖度ばかりしてこの本に書かれてあるような熱気を感じさせるものはなくなってしまいました。今はなくなってしまった長銀3行の事件を中心として書かれていますがその根源は、住友銀行による収益第一主義がもととなっているのでしょう。コンプライアンスなんかない状況ですね。2019/05/26
skunk_c
60
あの時代自分は働き盛りだったけど、景気に左右されない仕事だったもんで、どこか他人事な面はあった。もちろん崩壊した後の不景気は教え子の就職にもろに響いたけど。なのでこの本を読むと、動くお金の桁の大きさにため息が出る。特に4つのうち初めのふたつは個人が裁かれた事件でもあり、金銭感覚の違いについて行けない。一方友人に行員もキャリアもいるんで、彼らの世界のある種の恐ろしさも感じた。著者達の教訓を後に残すべきという意気込みは大切だが、肝心の当事者がきちんと総括しなければ、喉元過ぎた頃にまたえらいことになるのでは?2020/11/04
fwhd8325
60
バブルの時代を知らない世代は、羨ましいと言います。確かにこの失われた時代と言われる10年、20年はある意味不毛の時代だったと思います。バブル破綻後、日本経済は、品性を失ってしまったように思います。この期間に本来の能力を発揮できなかった方々には、安易に同情するとは言えませんが、この著書を読むと、浮かれていたバブルの裏側にあった怪談話のような恐怖を思い知ることになります、時代の中にいた者ですが、とても怖い時代だったと感じます。2019/09/15
クリママ
44
バブルの崩壊の時代に起こった興銀、長銀、日債銀、大和銀行NY支店の事件について書かれたノンフィクション。私にとって、金融関係の仕事を退職後、子育てや家業忙しく、世の中のことについて空白だった時期に起きた事件。著者2人は新聞記者出身で、そのため新聞記事の延長のような文章だが、わかりやすく、そういうことが起きていたのかと理解することができた。しかし、この事件に関連し、かつての私の直属の上司(穏やかなとてもいい上司だった)が自殺したことについて触れられておらず、もっと見方を広げることができたのではとも思った。2019/09/23
ステビア
24
こんなデタラメでバカな時代が本当にあったんだよなぁ。バブル崩壊後生まれとしては信じられないが。不適切な経営をしてきた企業群を何とか生き残らせようと国家が画策するのも、リバタリアンとしては到底承服できない。2021/11/16