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内容説明
14歳で女優になった。戦前、戦後の激動の時代に112本の作品に出演、日本映画界に君臨する。しかし42歳で静かに銀幕を去り、半世紀にわたり沈黙を貫いた。数々の神話に彩られた原節子とは何者だったのか。たったひとつの恋、空白の一年、小津との関係、そして引退の真相――。丹念な取材により、伝説を生きたひとりの勁(つよ)い女性の姿を鮮やかに描き出す決定版評伝! 新潮ドキュメント賞受賞。(解説・ヤマザキマリ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mumiu
32
わたしにとってのナンバーワン女優。美人すぎるがために、美人女優=大根とか言われるそれこそ元祖なのでは?な女優さん。なぜこの人にこんなに惹かれてしまうのだろう。戦後の買い出しのエピソードとかハンサムすぎます。原節子が原節子たらしめた、その秘密がちょっと解けたような気がした一冊。2020/03/15
hiroizm
24
女優の評伝にとどまらず、第二次世界大戦期の日本の文化史とも読める深い内容に一気読み。経済的な理由から女優になり、16歳でナチスドイツとの合作映画のヒロインに抜擢され、その宣伝のため洋行しゲッペルスにも会ったなんて驚きだし、戦争中は愛国の女性、戦後は民主的な、または戦時の悲しみを背負った古風な女性の象徴として銀幕を彩りながら、現実の自分とに苦悩する、時代に目まぐるしく翻弄されながら、ある意味頑固にたくましく生きた女性の人生がくみ取れる優れものの本。おすすめです。2019/04/20
しゅん
18
とても哀しい気持ちになる。生真面目さと気の強さが、かえって矛盾と弱さを際立たせる。「原節子」として知られるようになった人の、水の中でもがき続けるような姿が浮かび上がってくる。石井妙子氏のキメの細かい史料調査にはやはり頭が下がるというか、原節子並み、あるいはそれ以上の生真面目さと仕事に対する矜持を感じさせる。小津安二郎への冷淡さには驚いたし、小津の死が引退のきっかけになったという通説が甚だ疑わしいものであることもはじめて知った。日独同盟から見出された女優であった事実の陰影の深さにもたじろぐ。2020/06/18
fseigojp
17
名作「おそめ」の作者とくれば読まずにおれない2019/02/19
ごへいもち
16
悲哀2023/08/17