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内容説明
かつては海ほど大きく感じた父親は、どうしようもないさみしさを抱えた、ひとりのちいさな男だった。
家族、故郷、仕事、若さ、記憶、感情……手の平から少しずつ零れ落ちていくように、大切なものをなくしていく父。
その人生と、別れを描いたエッセイコミック。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
176
家族には家族の分だけ物語があって、その中でもそれぞれに抱く思いがある。いい父親かどうかはいつ頃心に根付くのだろう。父を看取って「私はファザコンだったのだ」と気付いた私が言うのもなんですが‥わがままな高齢者になって手に余すようになってもそう思えたかな?なんて薄情な娘もすっかり年を取りましたよ、お父さん。嫌な思い出さえ笑って語り、恋しい想いは今も恋しい。「会いたいよ、お父さん」大人になるってこんな思いを何度もするってことなんだろうなぁ。この作品には懐かしい昭和があってそれだけでも切ない。2019/11/13
しいたけ
112
父を焼いたあと空を見上げた全ての娘に。いまは亡き父にたくさん伝えたいことがあったと悔やむ全ての娘に。父の背中の温かさを忘れられない全ての娘に。大切なこの本を、そっとおすすめしたいです。「さみしいよ お父さん」。そのさみしさは私にとっても、大きな大きな遺産です。2019/10/07
にゃんた
23
読友さんのレビューを読み速攻読みたくなりKindleですぐに購入。生きるのに不器用な父との長い歴史の中で、胸を締め付ける父の姿。どんなひとも必ず持つ父との記憶が、呼び覚まされる。どんなひとも必ず迎えなければならない別れの時を思う。まだ存命の父に優しくありたい...。2019/10/08
小鈴
23
『好きだけじゃ続かない』の父の自伝を読んだものとして、こちらを読まないわけにはいかないじゃないか。父の自伝はフィクションを交えながらもなかなか壮絶だったが、こちらは結婚以降の父の家庭の歴史である。著者本人も出てきます。漫画家松田洋子の父供養。こういう父親はたくさんいて、息子達が小説やマンガにすることはあっても、娘の視点でかかれたものは珍しいと思います。2019/07/28
venturingbeyond
20
自身の来歴もあり、最愛の家族にも不器用に接することしかできない父親の最後を、漫画家となった同じく家族と向き合うことに不器用な娘が描いた一冊。暖かい読後感が残る良作でした。2023/03/19