内容説明
特攻隊と共に戦った「もうひとつの蛍」の物語――。
「神風」にただ一人異議を唱えた29歳の若きリーダー美濃部正少佐。
伝説の夜襲攻撃隊「芙蓉部隊」を率いて終戦まで命をかけて戦い抜き米軍を震え上がらせた。
誰もが冷静な判断力を失う窮地にあって、しなやかな理性と、揺るぎない信念に基づき、愛するもののために戦った美濃部少佐。
上官に意見することが罪に問われた時代、
「特攻」に異を唱えた彼の人間性と勇気ある生き方を主軸に、芙蓉部隊の隊員たちと彼らの基地を支えた人々、そして、母や妻との愛や絆を描くノンフィクション。
「真に生きる」ために、「死を覚悟して」戦った彼らの人生を前にして、現代の私たちは、この一度きりの人生をどう生きるのか。
生きるとは何か、真の愛とは何か、日本人の誇りをいかに貫くか、を問いかけるノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
14
特攻一色の作戦指導に敢然と反して自らの見解を述べ、夜襲隊を率いて戦い続けた美濃部正海軍少佐の一代記。困難な時期に、わずか29歳の若者が国を背負い家族のために戦い抜く姿に胸を打たれる。2016/12/02
ともがら
7
よいものをお勧めいただきました 当時多くの若者が祖国のために命を懸けていたことに、あらためて感銘をうける それにしても弱冠29歳 いかに、私たち世代も含めその後の日本人の精神年齢はいかばかりか 著者のアメリカの占領政策への言及は短い章ながら正鵠を得たものだと思う2017/04/26
カラヤ3
3
特攻作戦が主になってた中、唯一通常作戦で沖縄戦を戦った芙蓉部隊指揮官美濃部正少佐を描いている。後方の高級将校の現状認識の甘さや保身の様子は現代日本社会にもみられる病根だと思った。2020/08/15