大江健三郎 全小説<br> 大江健三郎全小説 第11巻

個数:1
紙書籍版価格
¥6,380
  • 電子書籍
  • Reader

大江健三郎 全小説
大江健三郎全小説 第11巻

  • 著者名:大江健三郎【著】
  • 価格 ¥5,115(本体¥4,650)
  • 講談社(2019/07発売)
  • ポイント 46pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065090121

ファイル: /

内容説明

「自分のなかに『祈り』と呼ぶほかないものが動くのを感じてきた。生涯ただ一度書きえる、それを語りかける手紙。その下書きのように、この小説を書いた。故郷の森に住んで、都会の「僕」の師匠(パトロン)でありつづける友。かれは事故のようにおそう生の悲惨を引き受けて、荒あらしい死を遂げる。かれは新生のため、また自分のもう一つの生のために、大きい懐かしさの場所をつくらねばならない(著者・『懐かしい年への手紙』)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイトKATE

28
どこまでが真実で、どこまでが虚実なのか読み手を惑わせる小説だった。作家K(ほぼ大江健三郎自身がモデル)が自分の半生と、Kの人生に大きな影響を与えた“ギー兄さん”の人生を回想する小説。“ギー兄さん”はKが敬服するほどの類まれな知性を持ち合わせていながら、“ギー兄さん”自身はほとんど何も成すことができず失敗の人生を送った。自分に大きな影響を与えた人物には、身近な人や世間では無名な人が存在する。Kは作家として成功したが、この成功は“ギー兄さん”なしでは成し得なかったと気持ちから回想しているのではないだろうか。2023/06/03

ぐうぐう

27
『河馬に噛まれる』は連合赤軍事件を背景に持つ長編である。しかし大江健三郎は、その重く深刻な事件と向き合うにあたって、短編連作集というスタイルを採用する。短い小説は結果的に軽さを伴い、さらにはユーモアさえ導いてくる。とはいえ、独立した短編が隣り合い、やがて結び付き、大きな塊になるに至って、いつしか読者は本来の事件の重みと深刻さに思い当たるのだ。それこそ文学にしか成し得ないことだと大江は言っているかのようだ。(つづく)2025/08/05

ブルーツ・リー

4
やっと読了。 大江健三郎は、自己愛についてよく言われるが、誤解だと思う。 なぜ誤解されるかと言えば、やたら自分や自分の家族を小説の中に(SF作品にすら)書くから、自分に酔っているように思われるのかも知れないが、実際は、私小説だと思われているような作品であっても、その内容の多くはフィクションであって、この本で言えば「ギー兄さん」は架空の人物だろうと思われて、架空の人物とのやり取りなど、完全に想像の世界の話で、自己愛で、自分を小説に登場させているのでないのは明らか。 自らを客観視して、優れた小説を書いている。2022/10/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12260573
  • ご注意事項

最近チェックした商品