内容説明
“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ――
「デリヘル ミラージュ」で働くカエデを毎度指名し、
プレイはせずに意味深な言葉を残して帰っていく謎の客。
カエデは煩わしく思いつつも、いつしか男の話に惹きつけられていく。
カエデの心はなぜ乱れるのか。男の正体は一体何なのか。
場末のデリヘルに、おっさんの生と死が交錯する――
伝説のテキストサイト「Numeri」管理人・patoが、日刊SPA! 連載「おっさんは二度死ぬ」のエッセンスをもとに、過去の発表作に大幅な書き下ろしを加えた待望の処女作。「日本一おっさんについての文章を書いている」筆者が満を持して世に放つ、おっさんの生と死、そして再生の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャリー・コグコグ
17
初読みの作家。クズの阿保話系の本は好物です。ネタ素があり話を膨らませている事は想像しても、綺麗事ではないリアルな人間がそこにいる。何にも考えず読めて楽しい。2019/07/18
maetoshi
11
私はその「表題」を見たとたん直感的に読みたい!と思った。おっさんは死ぬべきなのか?社会の中でのおっさんの存在意義が問われる。ストーリーはおっさんがデリヘルで毎回カエデという子を指名するのだが、一切プレイはせずおっさんの話をしてその感想を聞いて帰るという。なんだこれは?久しぶりに声を出して笑ってしまった。やがてその目的が明らかになるのだが、本書は世のおっさん達が読むべきであろう。おっさんの、おっさんによる、おっさんのための(なんかリンカーンの演説みたいだが)バイブルであることに間違いない。 2020/05/29
ふじこ
5
〈全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ〉デリヘル「ミラージュ」のカエデを呼び出し、プレイは一切せずにおっさんの小噺を延々聞かせ続ける男。彼は一体何者なのか?彼が語るおっさんたちとは?ラブホテルの一室で繰り広げられる千夜一夜物語。その果てにあるもの。話に登場するおっさんたちは皆救いようのないダメ男なんだけどどこか憎めなくて彼らは今どうしているんだろうと妄想を膨らませてしまう。そしてネットが普及していなかった頃のエロへの探究心の素晴らしさに嘆息する。サンタフェって4500円もしたのか…2019/09/25
みかん
5
何がどうなっているのかわからないけれど、さんざん笑ってたら…最後にそうくるんだ。 笑えるのか…いや笑えない。 二度目に死んでるおっさんは、『マジで死んでほしい、あのおっさん』2019/07/12
nobu23
4
SPAで連載されていたおっさんをテーマにした同名の短編を集めたものかと思っていたが、それらを使って新しい長編を作り上げられていて驚いた。2020/04/25