内容説明
『種の起源』が出版されたのは160年前、日本では幕末のことである。ダーウィンが進化論の礎を築いたことは間違いないが、今でも通用することと、誤りとがある。それゆえ、進化論の歩みを誤解している人は意外に多い。生物進化に詳しい気鋭の古生物学者が、改めてダーウィンの説を整理し、進化論の発展を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
231
ダーウィンからの進化論に関する誤解についてと、生物進化そのものに対する誤解についての2部構成。ダーウィンは自然選択説と分岐進化を提唱し、進化論を科学の俎上に載せ、発展に寄与した事が不朽不滅の業績なのです。そして進化は、ハーディ・ヴァインベルク平衡が破れる事で起こると。それは❶遺伝的浮動❷自然選択❸遺伝子交流❹突然変異。途中、遺伝子にもパリティビットを持っていて、誤り検出・補正が出来たらなぁと妄想してしまいました。そうなると、ガン細胞は出来ない代わりに、進化はしないか、かなり緩慢なものになるのですかねぇ。2022/10/28
綾
27
図書館の返却期限がきたので第一部のみ読了。第二部は他の本の内容とかぶるので、まあいいかな。ダーウィンの進化論と今までの進化に関する学説の総まとめといった内容。まさに知りたかったことが書かれていたので、面白かった。ダーウィンの「種の起源」は数ページ読んで寝れそうだし、今正しいとされていることとどこが違うのか分からないだろうし。しかし、登録数少なっ!2020/12/18
塩崎ツトム
19
進化論について、ダーウィンが注目した、進化の原動力としての「自然選択」、しかし元々自然選択は進化が「起こらない」理由として人口に膾炙しており、ダーウィンの考察したような進化の原動力となるには、個体数が均衡せず、爆発的な増加が発生して個体間で競争が生じた場合に限られる。生物学徒の端くれだったが、言われてみればその通りだが忘れてしまいがちである。そして今西進化論についてちょっと説明しているが、これって単なるアンチ・ダーウィニズムという点以外は何も言っていないのと同じじゃねーか!2025/04/30
fseigojp
16
ダーウィンの理論で出てきた自然選択には、その後2種類あると判明 突然変異、遺伝子浮動、遺伝子流入なども加わり進化論が進化していた すごい本だった2019/10/28
きゅー
13
ダーウィンが『種の起源』を公にしたのが1859年。それからすでに150年以上経っているが『種の起源』、そして進化論についての誤解は多い。第1部がダーウィンと進化学、第2部が生物の歩んできた道という構成になっており、第一部ではダーウィン以前から現在に至るまでの進化論の発展について、第二部では生命の進化について最新の知見を交えて分かりやすく解説されている。特に、ダーウィンが使用した「進化」という言葉の意味には「進歩」が含まれていない事に関する説明は明快で分かりやすい。2020/10/23