ITプロジェクト日記 英文絵日記の力

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ITプロジェクト日記 英文絵日記の力

  • ISBN:9784274803734

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内容説明

発刊にあたって
 プロジェクトは非定常業務である。ルーティン作業として毎日繰り返される日常業務と異なり、基本的には、常に気の抜けない作業に挑戦して行かなくてはならない。ところで、プロジェクトは有期性という属性をもつ。はじめがあるが、おわりも必ずある、そのような有期のものである。さらに、個々のプロジェクトはすべて異なるという、個別性という属性ももつ。類似のプロジェクトは過去に存在していても、全く同じプロジェクトはない。さらに、プロジェクトの語源は未来への投影である。その名前の由来の通りプロジェクトは未来に向かって挑んでゆく業務であるために、何が起こるかわからないという不確実性を持ち備えている。この有期性、個別性、不確実性は、プロジェクトの3属性だ。このような属性を持つプロジェクトを成功に導くためには、過去の経験に学ぶことが重要だと言われている。いわゆる、Lessons-Learnedに記載された経験者の体験記録が参考になり、時としてその中には貴重な宝の山がある。
 本書のきっかけは経済産業省からのアジアを対象としたプロジェクトに関する英文エッセイ投稿のお誘いであった。このような投稿記録を残せる機会は、日本プロジェクトマネジメント協会にとっても貴重である。その白羽の矢を渡部寿春氏に当てたのも縁だとおもう。当協会の発足以来、地域ごとのP2M研究部会があり、渡部寿春氏はその中の東京P2M研究部会の2代目部会長になった。当協会の会員の中でもユニークな仕事に就かれているうえに、人の思い付きにくい発想をされる。英語も日常的に使われている。適任であったことは、本書を読んでいただければわかるとおもいます。
 こうして英文が先行し、日本語をあとつけした日英文のプロジェクト日記ができることになった次第です。100編のエッセイは、きっと読者の思考を刺激するでしょう。それがあらたな発想のヒントになれば幸いです。
 最後に、本書の発刊のきっかけをつくっていただいた関係者のすべての方に感謝いたします。そして、何より本書を完成させた著者に感謝いたします。

特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会
理事長 光藤昭男
2019年6月吉日

目次

発刊にあたって
まえがき
読み方
もくじ
Chapter 1 PMの基本
01 PMでの仕事とは?
What are Project Management jobs?
02 コミュニケーション
Communication
03 ファシリテーション
Facilitation
04 複数のプロジェクト
Multiple Projects
05 ミッションプロファイリング
Mission Profiling
06 シナリオ作り
Scenario Making
07 ポートフォリオ
Portfolio
08 ビジネスの考え方
Thinking about Business?
09 リーダーシップ
Leadership
10 プロ意識
Professionalism
11 PMO
PMO
12 プロジェクトスコープ
Project Scope
13 戦略の意味
Strategy
14 プロジェクトセグメント
Project Segments
15 プロジェクトガバナンス
Project Governance
16 プロマネの育て方
Nurturing PM Abilities
17 組織成熟度モデル
Maturity Model
18 動くための批判的思考
Critical Thinking

Chapter 2 修羅場
01 ぶち壊しプロジェクト
A Failed Project
02 ユーザー受入確認時(UAT時)の悲劇
UAT
03 リスケは三度まで
Rescheduling
04 リソース計画の炎上
Resource Planning
05 実現性評価の危うさ
Feasibility Study
06 プロジェクトの漂流
Drifting of the Project
07 部門間の利害
Sectional Interests
08 雇用法を守る
Employment Act
09 見積りは頭痛の種
Estimates
10 リカバリー計画
Recovery Plan
11 撤退は勇気
Exit
12 危機一髪の舵取り
Steering Committee
13 厳しいスケジュール
Tight Schedule
14 弁護士の助言
Legal Advice

Chapter 3 プロマネの仕事
01 プロジェクト計画
Project Planning
02 無から有を生む
Zero to One
03 障害対応は高い能力
Troubleshooting
04 変革マネジメントの水面下
Change Management
05 綺麗な資料にご用心
Attractive Documents
06 業務リーダーが主役
Subject Matter Expert
07 関所破りの危うさ
Danger of the Gate Buster
08 メール作業の限界
Working by E-mail
09 効果的な表現は大事
Presentation
10 いかに業務分析を行うか
Business Analysis
11 探査から始める時
Discovery Phase
12 開発提案と発注評価
Proposal
13 スクラムへの挑戦
Scrum
14 Webデザイン
Web Design
15 技能移転
Skill Transfer
16 対面主義
Face-to-Face Communication
17 品質管理のあるべき姿
Quality Control
18 開発速度の評価
Velocity
19 プロセスマネジメント
Process Management
20 クラウドソーシング
Crowdsourcing
21 付箋で表すシステム要件
User Story
22 Webとビジネスをつなぐ航海術
Sailing
23 スマートな方法
SMART
24 メンターは指摘する
Mentor
25 データ分析者の苦悩
Data Analyst
26 PM費は高すぎる?
PM Costs
27 適合分析
Fit & Gap
28 チーム作り
Team Building

Chapter 4 日本のPM
01 作法
Small Rules (Saho)
02 禅
Simple Thinking (Zen)
03 飲み会は戦略
Party
04 ITプロジェクトは失敗の山
A Thousand Failures
05 守破離
Shuhari Model
06 教育改革
Education
07 属人性を見直す
Belonging to the Individual
08 ベンチャー資金が増えた
Venture Capital
09 仕事場が変わる
Workplace
10 IoTダンスを続けるために
IoT
11 健康経営は小さな工夫
Healthy Work
12 サイバーセキュリティ
Cybersecurity
13 内製化
Outsourcing to Insourcing
14 マージン規制
Margin Rule

Chapter 5 今時の知恵
01 自分プロジェクト
Personal Project
02 FinTech プロジェクト
Fintech Project
03 イベントマネジメント
Event Management
04 プロジェクトの才能
Project Talent
05 アジャイル開発
Agile Development
06 やり抜く力
Grit
07 カンバンで無理なく
Kanban
08 雲ってどれだけいいの?
How Good is a Cloud?
09 オフショア開発は心配
Offshoring
10 よいストレスと悪いストレス
Eustress and Distress
11 スプリントかマラソンか?
Sprint
12 知識は唯一の資産
Knowledge Management
13 人工知能の活かし方
AI
14 DXの時代
Digital Transformation
15 ツールは語る
Tools
16 サービス開発
Service Development
17 Web向けP2M
P2M for the Web
18 世界を変えたGAFA
the four
19 マーケティングの変化
Marketing
20 PM神話の終わり
Myth of PM
21 ロボットは働き者
Robots
多様性と異文化理解力
Diversity
23 研修だけでは足りない
Training
24 働き甲斐と精神的安定性
Engagement
25 SNS は信用情報
SNS
26 災害
Disaster

参考文献
NIN2 P2Mについて
PMAJについて
P2Mについて
著者紹介