内容説明
世間の風を冷たく感じた路上販売に始まり、古来種フェス「種市」の熱狂、伊勢丹での驚きの展開にいたるまで、「あたためる八百屋」の騒がしい毎日をめぐる奮闘記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
56
種をつなぐ意義は、全くの同感。最初はF1であっても、そこから種をとり、来年につなぐことを続けることで、その畑にあったものになる。自家菜園をやっているので、僅かだが、つないでいる。その中でも、里芋は親父の代からなので、うちの畑にあっていると感じている。一般的な流通にのらない野菜。基本は、家族が食べる野菜であって、その次におすそわけできるもの。つまり、あんしんして食べることができる野菜、野菜くさい匂いがする野菜。それを作りたい人と、それを口にする人を増やすこと。考えるヒントがいろいろある。2023/01/02
saga
50
著者の経歴は変わっている。調理師、自然食品専門店のバイヤーから、東日本大震災を契機に「種」を守る八百屋になった。日本各地でそれぞれ伝えられてきた伝統野菜、在来野菜を、著者は「古来種野菜」と総括した。その古来種野菜を守るには、その種を引き継げるようにしなくてはならないのだ。F1種は大量生産・大規模農業には適しているが、一代限りの収穫しかできない。古来種は、種採り作業を併せると小規模・少量生産にならざるを得ない。それでも著者は、次代の子どもたちに引き継げるように、種を守るための活動を続けているのだ。2024/09/26
あじ
47
先祖代々受け継いできた種で作った野菜を、著者は総称して【古来種野菜】と呼んでいる。現在では流通する事が稀で、農家さんの畑で細々と自家消費、種の採取が行われている。絶滅危惧である古来種の種を、未来に繋いでいこうというのが本書の主旨。生産に関わらずとも購入し味わう事で、その種は次世代に引き継がれてゆくと著者は私たち消費者に呼び掛けます。また台頭しているF1種について否定をせず、古来種との共存を唱えている点に共感を覚えました。この活動に至るまでの経歴と熱意も確か。八百年の平家大根、木引かぶの話が印象に残る。★42017/01/01
Sakie
22
日本農業新聞など読みながら釈然としなかったものが晴れた。今、国が推進している農作物の有機化は、ぱっと見に必要なことなのだけれど、思想が伴っていない。それはトップダウンなせいらしい。著者は「農業」と「農」を別と捉える。国民に食べさせるだけの農作物を確保するためには、化学肥料も最新技術もAIも使って、量を確保する、それが「農業」で、一方の「農」は古来の知恵や自然の持つ力を信じ、少量でも守っていく思想ありきだ。どちらも必要と捉えつつ、双方寄せ合っていけたらいい。『農法は生き方』。ならば、食べ方も生き方だなあ。2022/06/06
minorisomali
4
熱かった・・・!種を絶やしたくない、という熱い想いが伝わってきて、早速伊勢丹新宿店で古来種野菜を購入。食べてみてわかった。「味覚の多様性」が失われる懸念etc...渋味も「美味しい」。普通の「美味しい」とは違う「美味しい」。2018/03/14
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