内容説明
天正3年の長篠合戦で朽ちた無名の兵(鳥居強右衛門/とりい・すねえもん)は、なぜ数多の文献に名を残し、旗にその姿が描かれたのか。歴史叙述における強右衛門の実像と虚像のズレから、歴史とは何かを考える試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
16
長篠合戦で忠義を示し、今も名を残す鳥居強右衛門。そんな彼の実像に迫った本だが、確かな一次史料があるわけでもなく、残された記録を総合してみてもぼんやりとした姿が浮かぶばかり。ただ強右衛門の最後を目撃し、インパクト抜群の背旗を遺した落合佐平次のことも深掘りした部分は面白い。表紙にもなっているこの異様な旗の存在こそ、現代まで強右衛門伝説が残った理由だと思うので、カラー図版も交えてしっかり紹介してくれているのはポイントが高い。伝えてくれる人がいるから、英雄は歴史に残るのである。2023/01/06
ようはん
9
歴史に興味を持ったのは小学3年生頃に徳川家康の伝記を読んでからだが、その中で鳥居強右衛門のエピソードは印象深かった。少なくとも伝記に書かれていたエピソードは明治時代の教科書をベースにしていた事を初めて知り、鳥居強右衛門という人物自体が古い資料でも業績が曖昧で江戸時代から昭和時代までいかにして日本人に受容していったかがメインとなっている。2019/06/12
の
5
援軍を呼んだ帰途、武田軍に捕縛され磔刑に処された武士鳥居強右衛門を語る本。自らの命を顧みない死に様に武士の義を感じた敵将が、戦場で身につける背旗に褌一丁で磔柱にくくりつけられた鳥居の絵図を採用するなど、強烈なアイコン性ゆえ現代でも様々な媒体で見かけ知名度も高いが、鳥居の実像は謎が多い。伝承や史料も異説だらけで、磔の話も最初期の史料には見えない。美術研究や軍事研究の面から共同研究を行い、江戸時代以降の史料の山を整理し、通説・異説を再検討していく。「歴史」は常に現代の目線であり、イメージも常に更新される。2018/12/23
Book Lover Mr.Garakuta
5
図書館本:読了。日本史戦国時代の武士の話、興味深く拝読。武神として広く信仰されており。日本の色々なところで祀られている。2018/11/11
うしうし
4
*小学生の一時期、大分県中津市に住んでいたことがあり、中津城内の奥平神社で「タニシ祭り」なるものが行われていることを知った。中津藩主である奥平家と鳥居強右衛門、長篠合戦との関係を再認識した。(p57参照) ・鳥居強右衛門にかかる根本史料は『甫庵信長記』(寛永元年/1624)と『三河物語』(寛永3年/1626) ・第5章(旗指物の伝来と鳥居強右衛門像の流布)は貴重な仕事と思えるが、私にとっては冗長であるため、斜め読みした2021/07/10
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