内容説明
芸人としてトップを走り続け、映画界では「世界のキタノ」となり、「究極の純愛小説」を書き下ろし文学界に殴り込みをかける―― 常に挑戦し続ける巨匠であり、異端児でもあるビートたけしがいま初めて明かす、「志ん生」「落語」という自らの「原点」。
なぜいま志ん生なのか、なぜいま落語なのか。
ビートたけしが最も敬愛する落語家として挙げる五代目古今亭志ん生。戦後の東京落語界を代表し、「天衣無縫」と言われた芸風で愛された落語家は、なぜこんなにも人の心を掴んできたのか。本書では、そんな志ん生の“凄さ”をたけし独自の視点で分析し、いまのお笑い界、落語界を斬りながらとことん語り尽くす。希代の名人への敬愛を込めながらも鋭く説くその芸の真髄は、たけし自身の芸への愛であり矜持である。たけしが芸人人生をかけて志ん生に真っ向勝負を挑む!
「志ん生を今に蘇らすには
ビートたけししかいない。
噺家には絶対書けない志ん生。」(笑福亭鶴瓶)
奇しくも2019年NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺~』では古今亭志ん生役/ナレーションに決定している、ファン必読の書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
55
大河ドラマが『いだてん』だった頃の便乗本のひとつか。ドラマで古今亭志ん生役だったビートたけしによる志ん生論。たけしのルーツは師匠である深見千三郎と立川談志ばかりかと思っていたが、古今亭志ん生の影響も太いのだと、改めて思う。高いハードルを設けず、誰でも気軽に聞けて、なおかつレベルの高い笑いをやっている志ん生の素晴らしさ。読友さんに教わり、YouTubeでいくらか聴いた事があるが、その噺のいくつかは、本当に軽い気持ちに救ってくれるような楽しいものであった。ビートたけしも、芸人としては志ん生には及ばないのかも。2021/02/07
姉勤
40
ビートたけしの落語論と志ん生の心象。天才は天才を知るという匂いが強く、自分のような半可通には、著者がマニアや好事家の場合とは違う嫌味を感じ、また物足りなさも。逆に知識の下地がなく、某大河ドラマを見て興味を持った読者には、不親切な内容じゃないかな。固有名詞の注釈が一切なく、手抜き感が否めない。あの早口で30分で収録した文字起こしかって内容だが、話題にのる落語家も現役は談春師くらいで、名跡を襲名した当代と勘違いする読者もいるかもしれないのは重箱の隅だとしても、最低、何代目かは載せるべきではある。2020/01/15
りんご
36
「あの人はこんな魅力があるよね」って本は、同じ宗派なら(うんそうそう)(ホントホント)(いいこと言うなー)となりますわ。マニアが過ぎると「その褒め方はもう知ってる」となりますが、ワタクシ詳しくございませんのでどの角度からの評価もなるほどと頷きました。なにせ古いお方なので、音が悪いのがなあ、苦しいところ。「小便も凍る」、ね。「ジャー、パチーン、ジャー、パチーン」この言い方、間、声。この人じゃなかったら面白くない雰囲気がするもんね。2022/10/25
ぐうぐう
32
たけしによる志ん生論。どちらかと言うと理数系のたけしが、高座の空気を大事にし、噺もどんどん変わっていったアドリブタイプの志ん生を高く評価するというのが最初はうまく結び付かなかった(逆に、理詰めの談志がたけしを好いたのは非常に良く理解できる)が、読み終えて腑に落ちた。『びんぼう自慢』や『なめくじ艦隊』で知られる極度の貧困生活や、戦中に芸人達を引き連れて満州を慰問したりと、芸人としても苦労の多かった志ん生ゆえに、自然と身に付いたかに思える芸も、苦労の数だけ蓄積があり、その蓄積がデータとなって、(つづく)2018/06/30
Gummo
30
落語はあまり聞かない自分だけど、志ん生だけは聞く。なぜならすこぶる面白いから。これを読んで「やっぱ志ん生って面白いよね」と再確認。 ★★★☆☆2018/07/31
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