内容説明
さいはての地に舞う抒情あふれる踊子物語。女子大に学んだ日も、男たちとの夜も、すべては遠い思い出だ。過ぎ去った日を追わず、明日を夢見ず、踊り疲れて楽屋を出れば、今夜も外は、心も凍らせる一面の雪……。哀しみに耐え、ひたすらに生きる女の姿を、美しい北海道の風光のなかに鮮やかに描く長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
30
芥川賞作家の三浦哲郎が昭和49年に発表した連作長編。主人公の桐子は、父に愛人がいたことに嫌悪感を持ち、家を飛び出して踊り子として生計を立てることに。浮草稼業の女性たちの姿が陰影豊かに描かれます。文章家と言われる作者の散文はいつ読んでも、心を潤す力があります。三島由紀夫のような美文ではないのですが、穏やかできめ細かな文章で、詩情があります。物語としても面白く、桐子が里帰りしてそれでも家に入らずに、去っていく場面などは切なさが胸に染みます。桐子の新しい出発を描く最後の場面の明るさとユーモアにも惹かれました。2024/12/07
よっくん
0
桐子さん(ノラさん)、惚れてしまうくらい気に入りましたね。どちらかと言うとあうゆう世界の人に少し違和感というかどこか「別の世界の人」という感情を持ってしまうのですが、全く違和感なく受け入れてしかも惚れてしまうくらい「普通の人」という感覚に自分の方が可笑しいのかな?って思うくらいでした。これを機に三浦哲郎ていう作家にも興味を抱きました。「踊子」というと「伊豆の踊子」が真っ先に思い浮かぶのですがそことも関係あるのかないのか…太宰治とは関係ありそうですがね…時代も時代なんで。2025/06/12
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