内容説明
欲しいのは銃か、ウイルスか、クロームメタルの心臓か。
ヤクザ組織にスカウトされて、クローンどもと殺し合うか。
それとも頭に電脳埋め込んで、暗黒メガコーポに無謀な戦いを挑んでみるか。
生きるか死ぬか。ニューロンを焼き切るか、焼き切られるか。
それともアサシンの放った銃弾が、お前の頭を吹き飛ばすのが早いか。
ここはネオサイタマ。欲望渦巻くケオスの都市だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
17
最高かよ……。ニンジャスレイヤー第三部と第四部を繋ぐ、ヤクザの使いっ走りである火蛇が老元千葉(ラオモト・チバ)を助けたことから始まる物語。非ニンジャを主人公にし、翻訳も平易に、忍殺語も抑えぎみになることで、サイバーパンク色を強めつつも読みやすくなっている。これにはニワカヘッズの自分もニッコリ。火蛇や大熊猫の優しさ、気持ち良さを感じる人格。千葉の実力が見れてメチャクチャ良かった。やはりニンジャはコワイ。続きも刊行して欲しいが、物理書籍は厳しいのか。しかし、やはり魅力的な世界観。もっと没入したい。2021/05/30
うさみP
9
惨たらしい役回りが多いが「ヤクザ」という末法の生き様から窺える忍殺の世界。「ソンケイ」とは「尊敬」である!!なぜこの言葉に惹きつけられるのか。『カラテ=ソンケイ』というエネルギーの同位と循環法則の発見はニンジャノーベル賞ものではないか。内なるソンケイだけは決して裏切れない。ヤクザを繋ぐ「ソンケイ」という、重金属酸性雨でも溶かせない黄金の価値観。全て奪われたら切腹して死ぬ?そんな惨めな事は三下以下のドブネズミがすることだ。ヤクザなら、真なるヤクザなら、己のソンケイに誓って何度でも立ち上がり奪い返すだけだ。2019/07/08
シャル
6
鮮烈な、サイバーパンク・ヤクザ・ノワール。あるいは、才と環境に恵まれて育った一人の少年が、大海から井の中に落ちてそこで無双をする物語ともいえるか。井の中に落ちた少年と井の中でくすぶる少年たち。彼らが出会い、ヤクザたちが争い、そして井の中に嵐が起こる。これこそが、大いなる伝説の始まりなのだ。ニンジャスレイヤーのスピンオフであるが、ここに『ニンジャを殺すもの』はおらず、ニンジャ活劇は鳴りを潜め、あるのは人々の生活と抗争、そしてその影を走る神話的怪物としての姿を強めたニンジャの存在である。2019/06/29
alleine05
4
『ニンジャスレイヤー』の外伝的作品。ニンジャも出てくるけど少なめでヤクザたちの物語といった感じ。まあまあ面白かったけど、タイトルにもなっているスズメバチの黄色はもっと重要アイテムかと思ったらそんなでもなかったのはちょっと拍子抜け。いやまあ象徴的には重要アイテムなんだけど、もっと具体的な活躍がほしかったというか。2021/09/08
ななこ
4
退廃的で、それでいて後味爽やかなサイバーパンクアクション。「ニンジャスレイヤー」は未読でしたが、それでもめちゃくちゃ面白かった!SF小説であり、任侠小説であり、とにかく映像的でスピード感のある作品でした。続きがあるなら、是非とも読みたい。2021/03/30