毎日新聞出版<br> 令和 改元の舞台裏(毎日新聞出版)

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毎日新聞出版
令和 改元の舞台裏(毎日新聞出版)

  • ISBN:9784620325910

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内容説明

2019年4月1日午前11時41分、ついに、新元号「令和」が発表された。歴史の表舞台には出てこない、人々の信念や思い……7年半におよぶ取材から生まれた、圧倒的なドキュメント。毎日新聞・好評連載「代替わりへ」に、新たな書き下ろし部分を加え、書籍化したものの電子版。「令和」への改元準備は、30年前「平成」改元の頃からすでに始まっていた。黒衣(くろこ)としてその重責を担ったのが、国立公文書館の公文書研究官である男性。取材班は、伏せられた彼の動向を探る。新元号の考案者とのやりとり、そしていつ元号を公表するかという問題。「令和」元年にいたるまでの軌跡を追ったノンフィクション。新元号取材は7年半前の2011年11月から始まった。上皇さまが気管支肺炎で入院されたのに続き、2012年2月に心臓バイパス手術を行うと発表された時期だ。元号法は「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」と定める。陛下に万が一のことがあれば、「代替わり」となり、「平成」に代わる新元号に改まる。「万が一」について口にすることさえはばかられる中、事前の準備は公表できない。それでも政府内では極秘に検討を続けているはずだ。(略)約7年半の取材は、30年間も元号選定準備に携わった尼子氏に比べれば、ごく短い。それでも取材先から「何十年に一度の改元に備え、成果物なく仕事を続けるのは気がめいる」「強い自意識がないとやり通せない」と話を聞くたび、尼子氏の孤独な作業を思って身につまされたことを思い返した。(エピローグより)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

243
改元の舞台裏で何が起こっていたのかが、よくわかる一冊。やはり新聞社でも内閣内部でもあらかじめ考えられているんだなと知った。尼子氏というのは初めて知ったけど、まるでスパイ映画のように隠密行動に徹しているのに驚く。あまり表立って動くと目立つし、今後引き継いだ方も匿名で書かれていたので、令和以降の改元にいずれは出る方なんだろうなと思いを馳せた。2019/08/04

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

16
▼2011年から毎日新聞が始めていた、新元号「令和」の選定過程の取材を記録した本である。▼「令和」という新元号が国書から選ばれたのは、現首相の意向だという説もある。しかし、かなり早い段階から学者の側から国書からの選定を提案されていたということがわかった。 ▼内閣官房の職員でありながら「国立公文書館の研究員」という肩書きに身分を隠し、30年間極秘裏にたった一人で「元号選定」に専念していた人物が改元一年前に孤独死したという遣る瀬無い話が出てきた。▼どのような現場でも「黒衣」に徹する者はいるものである…。2019/06/29

15
元号の選定ってなんか名付けの作業に似てる。今回の改元は事前の情報漏れもなく、一定の支持も得られ、一応成功裡に終わったと見てよいと思う。ただ秘密保持と選定過程の公文書化(次代の改元のため)のバランスは今後も検討の必要がありそう。国書にこだわった点や、事前公表に反対し続ける保守派の懐柔など良くも悪くも安倍さん成分強めな感もある。沖縄と元号の章も興味深い。祖国復帰を喜ぶ当時の感覚はそういうことだったのか。とにかく平和憲法の適用圏に入りたいと。2021/06/05

seki

10
タイトルどおり、ベールに包まれた 改元の舞台裏に迫るドキュメント本。よくここまで、取材できたと感心。元号は天皇制と切り離せないものであり、それだけに改元に関わった人たちの苦労は並大抵のものではなかっただろう。印象に残った点は2つ。1つは、新元号の事前公表の問題。元号は新天皇即位後に公表されるべきとする勢力と、国民の生活を考えて事前公表するべきという勢力がかなり対立していたという点。2つ目は、先の大戦で、犠牲となった沖縄県民の天皇象徴的な元号への複雑な思い。令和という時代が平和であり続けますように。2019/09/21

hitotak

7
「令和」発表当日の舞台裏、密かに続いていた改元準備、元号の歴史や選定手順の変遷などが分かりやすくまとめられている。新元号公表時期について直前まで決まらなかった理由についても詳しい。かつての琉球王国は中国と日本の元号を併用し、日清戦争までは清朝の元号「光緒」が広く使用されていた事など初耳の話も多く面白かった。しかしなんといってもたった一人の元号業務担当者であった尼子氏の存在に光を当てた箇所が一番の読みどころだろう。国家には他にもこのように隠された役職があり、陰になり尽力している役人がいるのだろうか。2019/09/23

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