内容説明
超国家主義と関わる『上記』『竹内文献』、東北幻想が生んだ『東日流外三郡誌』『秀真伝』。いまだ古代史への妄想をかき立てて止まない偽書の、荒唐無稽に留まらない魅力と謎に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
日本の偽書について論じた一冊。紹介されているのは『上記』に『竹内文献』、『東日流外三郡誌』に『秀真伝』、『先代旧事本紀』と偽書を語るうえで外せない鉄板中の鉄板。ただ内容は紹介されておらず、成立状況や当時の心情などが中心となっているため、どうしてもある程度この分野を読んだ事がないと辛い内容となっている。個人的には『竹内文献』の内容をもう一回読んでみたかったけど。著者の興味がそれらにあるためかその部分に関しては教えられる事大だったけど、やはり興味があるのは内容と影響なのでちょっと隔靴搔痒な感が否めなかった。2019/05/21
ゲオルギオ・ハーン
25
日本の偽書について知名度が高いものを紹介し、なぜ有名になったか、偽書とされる根拠はなにか、偽書とされても一部で支持する動きがあるのはなぜかというところを説明している。偽書だと馬鹿にすることは簡単だが、本書は思想的な面から考察することで偽書について調べることに意味を見出だしていて興味深い。個人的に一番気になったのは『東日流外三郡誌』筆跡が発見者と一致することやそもそも家の天井裏から出てきたという漫画みたいな出自ながら古代史の不明瞭な点に踏み込んだ内容で知名度と支持を集めたのが面白く感じた。2021/12/09
おの
13
図書館本。最初は良かったのだが、古史古伝の中身より成立とか著者にフォーカスしてて途中下車。誰が書いたかは偽書判定に大切なのかもだけど、個人的に面白くないのだわ← 古史古伝本体を読んでから再読したら何か変わるかも?2024/02/04
筑紫の國造
10
「上記」「竹内文献」など、日本の有名な偽書についてかなり学問的に考察した本。本書は単純に偽書が偽書である理由を語るのではなく、「なぜ作られたか」「誰が作ったか」など、一歩踏み込んで偽書の成り立ちや変遷などについて考察しているのが特徴。歴史学はもちろん国文学などの学術論文の成果まで取り込み、極めて冷静に偽書について論じている、質の高い著書だと思う。さらには「偽書研究」の基礎的な問題点まで考察している。そもそも呼び方すら定義が曖昧な今分野だが、著者が学術の分野に結び付けようとしている成果は出ているだろう。2019/11/29
うさぎや
9
偽書ができるまでの過程がなんとも面白い。元ネタがはっきりしないものがあるというのも興味深い。2019/06/10
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