虎とバット - 阪神タイガースの社会人類学

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虎とバット - 阪神タイガースの社会人類学

  • ISBN:9784478107669

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内容説明

なぜ我々は、"ダメ虎"でも愛してしまうのか? イェール大学教授が社会人類学的見地からその謎を解読する!
長年のフィールドワークにより実を結んだ、『菊とバット』以来の本格的プロ野球社会論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

45
著者はイェール大学教授で社会人類学博士号を持つウィリアム・W・ケリー氏。長年のフィールドワークにより実を結んだ本格的なプロ野球社会論。社会人類学的視点から、阪神タイガースと大阪の特異な「絆」を解読している。長年のフィールドワークとあって内容はとても細かい部分まで調査されており、監督・選手・球団・メディアなど様々な角度から捉えられていて圧倒されました。個人的には私設応援団の闇の部分の記述に興味をそそられました。2021/10/20

サアベドラ

25
西宮の球場を本拠地とするプロ野球球団が作り出す世界を社会人類学的に分析した本。著者はアメリカ人の社会人類学者。選手や監督、フロントに親会社はもちろんのこと、熱狂的な応援団やライトなファン、各種メディアなど多角的な視野に立って記述されており、「タイガースワールド」を全体から俯瞰することができる。プロ発足以来、関西にはたくさんの球団が存在したのになぜ阪神が一人勝ち状態なのか、確かに謎だが本書で指摘されるまで当たり前過ぎて疑問に感じたことすらなかった。虎党でないライトなプロ野球ファンとしてなかなか楽しめました。2019/12/16

電羊齋

11
阪神タイガースという「スポーツワールド」、即ち選手・コーチ・監督・球団・親会社さらにメディア・ファンなどにより形作られる世界を分析した本。個人的に面白かったのは私設応援団の実態と、応援団と球団との間の微妙な距離感についての記述。本書からは20世紀から2010年代にかけての阪神タイガースと関西社会・日本社会、さらにはそれらの変化が見いだせる。外国人のみならず日本人ですら陥りがちな先入観やステレオタイプを排除し、分析対象と適度な距離を保ちながら記されたスポーツ民族誌。2019/12/30

はら坊

7
アメリカ人の社会人類学者が、1996年から2003年にかけて阪神タイガースとそれを取り巻く人々を調査したエスノグラフィー。 「スポーツワールド」「ソープオペラ」をキーワードに、関西におけるタイガースの人気、その社会的背景を考察している。 スポーツが持つサスペンス性、選手・監督・フロントをめぐる”企業ドラマ“、それらを面白おかしく伝えるスポーツ紙、熱すぎる応援団、東京の後塵を拝す大阪経済―などが「タイガースワールド」を構成していると、著者は説く。 日本野球、日本社会へのステレオタイプを戒めている点もよい。2020/08/31

spike

3
なかなかに読みやすくかつ面白く興味深い。ソープオペラ、メロドラマと形容したり、そもそもそも「タイガースワールド」なんて言葉を持ち込んでみたり、「タイガースは、20世紀後半における日本の社会変化を理解するための事例となる」と言い切ってみたり。メディア(特にスポーツ紙)、応援団、在阪他球団との興亡、讀賣との構図は東京一極化と大阪の地盤沈下の縮図、などなど。2020/03/14

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