内容説明
二十六歳の青年・瀬山冬は、幼い頃から他人には見えないものが見えたために人間関係を上手く築けず、勤め先が倒産してからはひきこもっていた。貯金も尽き家賃も払えなくなっていたところ、人材派遣会社を経営する羽塔花純という謎めいた女に、死者の霊がいる家に住んで「死の瞬間」を報告する仕事を押しつけられる。もとの部屋は勝手に引き払われ、断れない状況で…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ありす
36
無職で貯金は尽き家賃も払えなくなった引きこもりの瀬山。そこに家賃を肩代わりし雇うと言ってきた謎の女性羽塔が現れる。瀬山の仕事は幽霊が住み着く瑕疵物件に住み、死者から『死の瞬間』を聞き出し羽塔に報告すること。幽霊と関係を築き、幽霊の希望を叶えていくという内容は面白く良かった。スイちゃんの『よいももにやどの精霊』の話が特に良かった。ただ羽塔の目的や存在がいまいち分からなかったのが残念。続編を考えているのかな??2020/12/24
み
30
もやもやな読後感(^^;面白くない訳ではないのです、気になることが多すぎて。雇い主やら、お兄さんやら、美味しいお弁当の作り手さんとか、あ~一体なんなの???続編がないとは言わせませんよ。あたしは、死ぬ時にやり残しないようにしたいもんです、ムリだろうなぁ。せめて楽しかったぁと思いたい。2019/12/04
よっち
29
幼い頃から他人には見えないものが見えて人間関係を上手く築けず、勤め先の倒産で引き籠もっていた瀬山冬。家賃も払えず追い詰められた彼が、謎めいた資産家・羽塔花澄に死者の霊がいる家に住んで、死の瞬間を報告する仕事を押しつけられる物語。巻き込まれた冬が出会う刺殺された若い女の霊、やたらと腰の低い30代女性の霊、母親を探す少女の霊、空き家に住む四人以上の霊。依頼人の花澄たちもまた謎めいていますが、何だかんだでお人好しな冬と接するうちに変化してゆく霊たちとの関係もなかなかいい感じで、続巻あるならまた読んでみたいです。2019/05/29
いぼいのしし
27
久しぶりに怖い話を読みたいと思って読んだので、あまり怖くなかったのは少し残念だ。読みやすくて予想外にいい話だった。まだわからないことがあるから続くのかな。2020/11/03
kei302
22
「よいももにやどの精霊」さんがよかった。スイちゃん(4歳)は霊じゃない!緊迫感あふれるラスト。《魔法のおまもりゼリー》、ここであのゼリーが..スイちゃん がんばれ!感動ものです。“視える”人:瀬山冬。“霊”的なもの系小説でマイベスト作品。現象に対するディテール設定がきめ細やかで、なるほど、霊感とか視える人ってそうなのねと、思わず納得してしまうほど巧い。謎の多い登場人物たち。続編もある。たぶん 2019/07/02