内容説明
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大切なことは、日常生活の中にひそんでる――。雪の日に訪ねてきたくま、雷神さんに嫁いだ妹、隣のうちのドアを抜けてたどりついた町・・・平凡な暮らしを営んでいる「わたし」たちに舞い降りた、ちょっと不思議な出来事と、その中で見つけるささやかな幸福。数々の名作、話題作の装画を担当してきた著者が、丁寧に描き出した十四の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
111
著名なイラストレーターによる十四の物語。作者は梨木さんの本の挿画などを手掛けているそうだ。本の中に多くのイラストが収められており、それを眺めるのが楽しかった。透明感のある絵で、よく見るとシュールなところがあるのが面白い。例えば、薬缶の中から可愛い小人が顔を覗かせているイラストなど(34P)。童話風の雰囲気が漂うところがアンリ・ルソーと似ている。物語自体も不思議なお話が多くて、日常の世界から少しずれたところへ誘われる。そこは居心地の良いところで、小春日和に縁側で日向ぼっこする感じだった。2014/11/02
シナモン
101
買ったイスがしゃべったり、やかんから小さい人が出てきたり。異世界に迷い込んだような不思議なお話が続きます。変なのーと思いつつもその世界なりの普通の暮らしに引き込まれました。丁寧に描き込まれた絵のなかの不思議な世界。癖になる一冊でした。 いつも通りの日々が一番だね、うん。2025/02/18
あつひめ
63
日常の中の平凡がちょっとしたことで柔らかく優しく人の心を変えてくれるようなそんなお話がいっぱいだった。図書館でタイトルだけで予約をしたのでどんな本かもわからずに手にしたけど、装画を仕事にする人だけあって、文章と絵が一体化してて早川さんの描く不思議で優しい時間に迷い込んだような気がしてしまった。物を人が選ぶのではなく、物が人を選んでやってくる・・・あ~~そういう感覚あるある・・・と共感できることもいっぱい。季節の移ろいを物語の中に感じながら自分の日常を振り返るかもしれない・・・私はそうだった。2012/09/27
あおでん@やさどく管理人
42
【第18回やさどく】日常のすぐ隣で起こる、少し不思議で幸せな気持ちになれる14の物語を、イラストレーターでもある早川さんが繊細なイラストと文章で描く。印象に残ったのは真ん中くらいにある「桃源郷」。今の世界からどんどん失われているのは、時間的な余裕ではないだろうか。みんなが少しずつ時間の余裕を持つだけで、この世界はもっと穏やかになると思うのに。2018/08/02
へくとぱすかる
42
SFのような、メルヘンのような、不思議でちょっぴり不条理(?)な短編集。端正な絵がいいんですよね!すぐ読めていつまでも心に爽やかな印象を残してくれます。2013/11/18