墨の香

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墨の香

  • 著者名:梶よう子【著】
  • 価格 ¥763(本体¥694)
  • 幻冬舎(2019/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344428737

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内容説明

突然、理由もなく嫁ぎ先から離縁された女流書家の岡島雪江は心機一転、筆法指南所(書道教室)を始める。しかし大酒飲みの師匠・巻菱湖や、かまびすしい弟子の武家娘たち、奥右筆の弟・新之丞に振り回される日々。そんなある日、元夫の章一郎が「ある事件」に巻き込まれたことを知り――。江戸時代に生きる「書家」とその師弟愛を描いた、感動作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

87
若い頃の私といえば、文字は記号であり読めれば用が足せるなどと生意気なことを言っていた。自分が悪筆であることへの言い訳でもあった。しかし、この歳になると文字の持つ表現力、味わいに心が動かされる。印刷物であっても昔ながらの活版印刷によるものと最近の印刷技術のものでは味わいが違うものである。まして手書きの文字にはそれぞれ個性があるのだ。  本書は女流書家の眼をとおして、人としてかくあるべしという姿を描いている。読んでいて心が洗われる気がした。2020/02/22

やま

85
墨の香。 2019.06発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。 雪江の凛としたたたずまいと、匂うような墨の香りが漂って来る本です。物語は、雪江は、訳も分からず婚家から離縁され、実家で筆法指南所(書道教室)を始める。 師匠から「自ら立つことはどのような道でも難しかろう。まして、女の身であれば、そこらのたいした腕もない男どもに、妬まれることもあろうが、くじけるなよ」と励ましの言葉を掛けられるが…。 江戸時代に女性が独立して仕事をすることの難しさ大変さが窺える。 梶よう子さんの本を読むのは始めてです。2019/09/09

優希

48
静かな人情を感じました。江戸時代の「書家」のあり方と姉弟愛が美しいと思います。2022/01/07

のびすけ

31
出戻りの女流書家・岡島雪江が筆法指南所を開く。雪江の弟・新之丞、母の吉瀬、書の師匠・巻菱湖、指南所の教え子の娘たち。皆、個性的なキャラが立っていて賑やかでとても楽しい。それだけに、異国船への発砲事件を絡めて物語を複雑にせずに、純粋に書の世界だけの物語の方が良かったな。「書は万物を表す宇宙、筆の穂が、軸が、天と地を繋ぐ」「書にはそのときの心根が如実に現れる」。書の奥深さ、美しさを堪能できて面白かった。雪江と教え子たちの物語の続きをぜひ読みたい。2020/09/02

こうちゃん

12
読んでて気持ちが良かった。途中、人物関係が何かややこしくなったけど、優秀作と思えた。2020/01/31

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