内容説明
“天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録。
作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。
昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
わむう
22
友人の檀一雄から見た太宰治。やっぱり熱海事件には笑ってしまいます。2024/08/10
まゆまゆ
13
読もう読もうと思っていたのを、6月に。小説 「太宰治」となっていますが、檀さん自身の、ちょっと息苦しくて苦い青春も共に描かれています。中也との青鯖事件(笑)や、檀さんを残して井伏さんと将棋指してた熱海事件など、有名なエピソードも多数。想像する事しか出来ない太宰さんの生きている姿を、こうやって残してくれてとても嬉しい。振り返って「やあ」と檀さんを迎える姿が好き。2022/06/23
東京湾
10
「誰だって、妄想はある。そもそも人生というものは自分の妄想を抱いて、墓場に急ぐ道程の事だろう。しかし太宰の場合は、殊に一方的に増大してゆく妄想が激しかった。成程、人生という奴は作ってゆく人生だ。しかし、この太宰の作られてゆく人生には全くと言っていいほど天然の是正がない」太宰治という人間への洞察と、彼をめぐる青春の回想。放蕩に耽った若き日々や作家仲間との交流など、同時代を共に過ごした者にしか書き得ない記録に満ちており読み応えがある。翳りある人情家としての太宰の姿が印象深かった。放埓の中に哀愁が漂っている。2019/08/06
キー
6
作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。2025/12/02
ゆーじ
3
ピープラスディブックスという新たなスタイルな本です。入手困難な後世に受け継がれるべき名作品を世に出してくれる小学館には感謝、感謝です。2025/01/04
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