講談社学術文庫<br> 本能寺の変

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講談社学術文庫
本能寺の変

  • 著者名:藤田達生【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2019/06発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065162774

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内容説明

なぜ、明智光秀は、あのとき、織田信長を討ったのか――古来より数えきれぬほど繰り返し問われてきたこの問いに、本流の歴史学的思考が真っ向から取り組んだ画期的論考が、最新の研究を反映する大幅増補をくわえて文庫化。信長は何と戦い、何に負けたのか。この日本史上最大の政変の核心を衝く試みは、戦国時代とは/室町幕府とは/日本の中世・近世とは/何かという根本的な問いへと至る。本格的歴史学研究でありながら、歴史小説・大河ドラマファンも楽しめる、驚きと発見に満ちた知的挑戦!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

46
本能寺の変について、幕府(義昭)黒幕説を説く。史料を読み解く記述で学術的傾向が強い。素人読者には直ちの判断は難しいが「四国説・明智光秀と羽柴秀吉との派閥抗争・鞆幕府論の三層構造から議論を展開」(ウイキペデイア)しているところなどは、なるほどと興味深かった(194頁の図表が解りやすい)。他にも信長の天下統一直前での、近衆・一門の近国掌握(近畿地方配置)と重臣の整理・最前線配置計画という世代交代政策も印象的。これを実行されたら功労のあった重臣は焦るよね。2020/08/30

ぜんこう

25
いろんな書状や資料をもとに本能寺の変を論考されてます。ドラマなどでは個人的な恨みとか、僕自身もそんなふうに思っていたのですが、足利義昭の信長包囲網も関係してたとか。義昭の影響力って都落ちしてからも将軍としての権力を維持してたんですね。これを大河ドラマにでも仕立てたら今のオリンピック物より視聴率取れるかも(^^;) それにしても秀吉の大返しが変の後に大きな逆転劇を生んだのは動かしがたいようですね。2019/08/11

パトラッシュ

18
織田家中の派閥抗争に敗れた明智光秀。鞆の浦から遠くない備中高松城まで秀吉軍が迫っていた足利義昭。信長の政策変更で追いつめられた長宗我部元親。この三者が奇跡的に結びついたのが本能寺だったとは。しかも明言していないが、信長から譲位と安土行幸を迫られていた朝廷が暗黙の了解を与えていたと著者は推測する。天正十年の日本は、ル・カレのスパイ小説も顔負けの陰謀と思惑の錯綜する世界だと痛感させられる。こうした状況下では誰にも想像できない決断と実行をなし得た者が勝つ。中国大返しを成し遂げた秀吉が最終勝者となったのは当然か。2019/08/11

niwanoagata

11
相変わらずの小説 派閥力学に関しては悪くないと思うが、何かにつけて義昭を登場させるし、資料も自説に都合のいいように読んでいる 他の研究者の批判を一切自説が成立している前提で反論しているため、内容が薄すぎる 一応藤田さんも研究者なので論の途中過程はまだマシだが、その結論の部分がすべて妄想で、都合のいいように解釈し、その可能性が高いとか、そう考えなければならないとか意味不明 なんでここまで義昭黒幕説にこだわるのか謎。 1つ反論すると石谷頼辰は元親の説得のため土佐にいたので、光秀に謀反を勧める意味がわからない。2020/03/27

shinko0925

8
足利義昭が京都を追われ、室町幕府が滅亡した、のではなく、鞆の浦から引き続き影響力を発揮していた点。なぜ信長ってこんなに敵が多かったんだろう?(嫌われていたんだろう?)の素朴な疑問に対するひとつの解かもしれないと思いました。義昭の影響力が明智光秀と本能寺の変に繋がったのかどうか。当時の情勢を踏まえれば、教科書で習った光秀の怨念による突発的単独犯の線は、かなり薄い気がします。謎は深まるばかりです。2021/04/21

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