内容説明
「34歳のときに治らないがんの告知を受けた。後悔はない。それは、すべてを自分で選んできたからだ。」 家族、友人、仕事、お金、自分の居たい場所、そして生と死。命を見つめ続けてきた写真家が、大切にしてきた「選ぶ」ということ。 生きにくさを超えるために、自ら「選ぶ」ことの意味を、強くやさしいことばで綴る。「生きにくさを感じている人に、生きやすさを感じてもらえることを願って――。」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
miww
92
「選べなかったことを選びなおす」。この選ぶ対象とは「家族」。余命宣告を受けた著者が辿り着いた家族についての思い。「家族とは与えられるものではなく選ぶもの」。「親不孝をしないために、親を悲しませない為に自分が不幸になっているのなら誰の人生を生きているのかわからない。」自分に大切なものや生き方、そして最期の迎え方は自分で選びたいと思う。2019/10/18
honyomuhito
82
癌を患っている著者が世の中のヘビーな方(虐待、依存症、闘病、暴力、生き方)の人生相談に答えているのを読んで、なんで病気の人がわざわざそんな人の負のエネルギーを集めるようなことやってるんだ。周りの人は誰か止めろよと思っていた。しかしこの本で病気の発覚から、ブログでの病気公表、人の重めの相談に乗ることになるまでの過程がわかって腹落ちした。私には癌患者に対する偏見があるようだ。癌を患ったからといってその人をスポイルし、考えや生き方を取り上げてしまうようなことはしてはならないことなのだ。2020/09/24
けんとまん1007
81
あまりにも、わかりすぎる1冊。いのちを考えること。自分だけでなく、家族のことも含めて考えること。それは、現在進行形。やはり、ものの考え方・感じ方も変わる。何を思い、何をやり、何をどう表現するのか・・不定期ではあるが、考え直すことが続いている。今の自分だからこそ、できることは何だろう?と。2023/01/14
nyaoko
80
幡野さんを知ったのはTwitterのリツイートだった。流れて来たその文章にハッとさせられた。彼は34歳の若さで多発性骨髄腫と言う難治性のガンを宣告される。その時の絶望と、やがて襲い来る痛みと苦しみはどれほどのものだろう。幼い息子を映した写真から彼の愛情の深さが見える気がした。NASAの直系家族について、命は自分のもの、患者自身のものと言う所は私自身も同じ思いだ。たとえ医者であっても、親子でも、兄弟でも、自分の命は自分のものだ。自分が選んだ人と、選んだ場所と、選んだ生き方で最期は死にたいと思う。2019/07/25
ホッパー
79
がん患者となってからの著者の人生と考えについて書かれている。安楽死についての考え方が特に印象に残った。父ががんで苦しみ抜いて亡くなったことを思い出す。安楽死という選択肢がある国、無い国という知識すら無かったことにも気づく。いつかは自分が直面するかもしれない事態への知識は持っていて損はない思った。2021/07/14
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