内容説明
人生に何の展望も見出せないでいる、富山に住む21歳の大学生、森航大(もりこうた)。編集者である夫に束縛される、東京住まいの35歳の作家、天谷柚(あまがいゆう)。二人は文通コミュニティ「綴り人の会」を通じて手紙を交わし始める。航大は充実した生活を送る35歳のエリートサラリーマン、クモオとして。柚は夫からの暴力に怯える28歳の専業主婦、凜子として。次第に熱を帯びる手紙は、二人を危険すぎる関係へいざない――。
目次
プロローグ
第一部
第二部
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピロ麻呂
32
往復書簡形式の恋愛小説。男は就職活動中の大学生。女は児童文学作家の既婚者。男はエリートサラリーマンと偽り、女は夫に束縛される主婦と偽り、手紙を通じて顔を見ぬ相手にお互い惹かれ合っていく。結局、会って不倫にまっしぐら~と思いきや、夫を殺してくれたら会いましょう…とのまさかのミステリー展開へ。結末が予測できなくてハラハラドキドキおもしろかった!2019/08/08
わか☆
12
久々の井上荒野さん。やっぱり大人っぽいアンニュイな雰囲気がある。登場人物はどの人も好きになれないけど、とても人間味がある。SNSが流行っている今こそ文通してみたいなあ。文通ってロマンチックさを感じる。この本の感想は「うわ~。こわ~」かな。2022/01/09
ミサ
11
女性作家と男子大学生がお互いに身分を偽って文通。二人の手紙の中で繰り広げられる世界と現実との違いを感じながら、虚構の自分も完全には嘘じゃないって思った。「愛する事をやめたいから夫に消えてほしい」という願いの切実さが物語の形になると理解できる。面白かった。2022/07/03
ぱぴこ*2
11
何だこの二人。自己陶酔女と現実逃避男。いったい何をどうしたいのか?何をやってんだか?束縛旦那氏がいちばんまともなのがもはやホラーでしょう。でも、なんやかんやで楽しんで読ませていただきました。井上荒野さん、まだしばらく追いかけます。【積み本:19】2022/06/09
まゆ
6
35歳の有名な児童文学作家の柚と地方の三流大学に通う航大が28歳の専業主婦凛子と35歳の貿易会社勤務のエリートサラリーマン、クモオとして文通を通して現実の捌け口と疑似恋愛があらぬ方向へ。クモオはあまりに幼稚すぎてイライラした。手紙って魅惑的で怖くて不思議。手紙の上では自分じゃない自分でいられるのは手紙の魅力。2020/07/03
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