扶桑社BOOKSミステリー<br> ブラック・ハート(下)

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扶桑社BOOKSミステリー
ブラック・ハート(下)

  • ISBN:9784594018191

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内容説明

連続レイプ殺人事件の容疑者を射殺した刑事ボッシュは、その妻から夫は無実と告訴される。そんななか、新たな殺人が発生する。
コンクリート・ブロンド事件は、公式には未発表のドールメイカー事件の手口に似ているため、捜査班は警察内部に近い人間による模倣犯罪であると睨む。まず捜査線上に上ったのが風紀取締課のモーラ刑事。違法ポルノヴィデオ摘発などに携わるうちに自らその世界にのめり込んでいるらしい、と噂の男だ。留守をねらい単身、彼の家に侵入するボッシュ。おびただしい数のヴィデオテープの中にモーラ自身が出演しているものを見つけた彼は真犯人を突き止めたと確信したのだが…。LAが舞台のシリーズ最新作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

348
【原書】結論からいうと、わたしが想定した犯人ではなかった(嬉しい)。今作の魅力は①二転三転する犯人探し②法廷でのボッシュ③恋人シルヴィアとの行く末、だと思うのだけれど。今回ボッシュがシルヴィアに対して、冒頭では口に出せずに呑みこんでいた「I love you」を、後半ではちゃんと口に出していたのに、ドキドキさせられる。アメリカ人て、I love baseballとか、 I love hamburgersとか、軽々しくラヴを言うような印象だけど、恋愛相手にそれを使うのには意外と慎重なのである。むふふ。2018/08/09

Tetchy

147
ドールメイカー事件はボッシュの忌まわしい過去にまで及んでいき、そして意外な人間関係が明かされていく。よくこのような展開を偶然すぎるとか、関係が狭すぎるなどと批判する読者もいるが、私は大歓迎。濃密な人間関係が物語が進むにつれて形成されていたことが判り、更に物語世界が深化する。この世界に没頭できる感覚とサプライズは何ものにも代え難い至福。そして更に驚愕は続き、真相もメガトン級だった。読めば読むほど深みを増すボッシュシリーズ。もう読むことを止めることは私にとってこの上ない苦痛に感じることを正直に告白しておこう。2017/11/02

ケイ

143
ボッシュは言う「希望が正義にはある」。原題は『The Concrete Blonde』法廷の前にある彫像らしい。その前で、女弁護士は正義をまだ抱えているかボッシュは自問し、愛しいシルヴィアとの事では一緒の週末を望む~希望と正義。母の死や自らの過去が事件に常に絡むボッシュ。それは彼の深い闇。ニーチェの『深淵を覗く時、深淵もまたお前を覗いている』とホーソンの『大理石の牧羊神』をコナリーは引用。そして『大いなる眠り』を生徒に読ませ、イカレ弁護士にはチャンドラーと名付けるコナリーの意識。コナリーに興味が尽きない2018/01/02

harass

79
ゆっくり読もうと思っていたが、一気に読み終えてしまった。登場人物たちの造形の深さや、二転三転する真犯人探しと構成の妙に驚きつつ読みふけった。サービス過剰すぎる気もしなくもないが、こういうところがこの作家の強みなのだろう。主人公と恋人との関係も好みがあるだろうが、なかなか楽しめる。個人的に、浮浪者の元弁護士がどう関わってくるのかと気に留めていたが肩透かしで驚く。また米国の民事裁判の意義などいろいろ考えさせられる。頭を掴んで読ませる著者の剛力に感心しきり。良書。2019/01/05

巨峰

72
ボッシュシリーズ第3作。今回もすごく面白かった。特に終盤にかけてのどんでん返しの連続が全然無理やりではなくて、やられたという感じである。女性弁護士が一話で退場となったのは残念だけど、彼女の思念のようなものが終盤の物語に大きく鳴り響いた気がする。2021/08/16

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