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内容説明
手塚治虫、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、藤子不二雄…マンガの神様たちが同時期(53年~61年)に青春時代を過ごした伝説のアパート「トキワ荘」。2000年に解体されたが、地元商店街が復興に力を入れ2009年に記念碑を樹立。さらに2011年から「トキワ荘跡散策マップ」を作成し「漫画の聖地」「トキワ荘のあった街」としてPRを展開している。
著者は石ノ森さんのアシスタントとしてトキワ荘に暮し、全員が独立して去った後もトキワ荘に残った最後の住人である。マンガ家とも編集者とも違う視点から、いままでに書かれなかったエピソードを写真や図面とあわせて豊富に紹介する。「おそ松くん」の創作秘話なども明かされる。
巻末では、よこたとくお、高井研一郎、山内ジョージによる特別座談会が実現。ここでも、当時の知られざるエピソードが話される。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
月島雫
32
新たな藤子情報が欲しくて手に取りました。藤子A先生との出会いのところはとても面白かったです。ですが作中にもあるとおり、F先生とはほとんどお話しされたことがないそうで目新しいエピソードなどは見つけられませんでした。それでもその時代のトキワ荘の空気を感じることができて良かったです。石ノ森、赤塚の話題はたくさん出ているので好きな方にはオススメの一冊です。赤塚不二夫のプロデューサー力の件は、興味深いものがありました。2014/09/04
ゲオルギオ・ハーン
22
トキワ荘に住んでいた最後の漫画家である著者による、漫画界の巨人たちとの思い出話。主にアシスタントをしていた石ノ森章太郎、赤塚不二夫の話が多い。石ノ森先生は仕事人間というイメージがあったが、後輩想いで面倒見も良い温かい人柄だったことが著者の思い出話から分かる。赤塚先生は社交性が強いイメージがあったがとてもシャイな性格だったらしい(みんなのため、と割り切って陽気な性格を演じていたそうだ)。手塚先生は漫画界を盛り上げるために漫画を描く子どもたちの応援からプロになった大人たちへのフォローまで欠かさなかったようだ。2024/01/19
あられ
3
昭和30年代、ないものも多かったが、違った努力もあたのだな、、才能と努力と環境を手に入れていく若者群像よね、今とは全然違うアナログな手ごたえ 面白かったが、全体としては同じような話が続くので最後のほうは飛ぶように読んでしまった 反省 ひとつずつゆっくり間を開けて読むべきだった2021/09/28
たくのみ
2
再建に向けて行政も動き出した「トキワ荘」。山内さんは新漫画党の自称二軍。いわゆるアシを続けてきた人。最後まで住んでいた方なのでした。それだけに資料も豊富。海水浴を楽しむ漫画たちの貴重な写真。トキワ荘の詳しい断面図。そしてお宝もの初期同人誌の漫画。カットの数々。学習マンガや広報など活躍した漫画家が描く、伝説の梁山泊のすがた。貴重な記録です。2016/09/09
あや
1
石ノ森氏、赤塚氏の元に出入りしていた著者の回想記。トキワ荘時代そのものは短く、当時滞在していた漫画家も少ないようだが、その後の親交や赤塚氏周辺の動きを詳しく書いている。正直実際に作品を読んだ漫画家の名はごく一部にすぎないが、それでも当時の漫画家同士の親交や業界の様子などとても興味深く読めた。娯楽が少なかったからこそ紙とペンに全てを賭け、映画と喫茶店で英気を養い、仲間と協力しあった時代。いつの世も、刺激を受け合える環境というのは大切なことだと思う。2018/06/07




