内容説明
1995年3月20日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖、天堂光翅であった。彼や教団に関わった者たちの前に現れる一匹の煌めく蝶。金色の翅が導くのは地獄か、それとも……。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
535
【KU】ひとり葉真中祭り。人物や設定があちゃこちゃいく構成で、今までの中では読みにくかったかも。これまた当時の世相をうまく絡めて(というかモチーフをまさにど真ん中から拾ってきて)描いてらっしゃるのだが。せっかくのモチーフの落としどころはソコ?という最後印象だった。あと一作『ロストケア』を読んで、祭りの締め括りにしたいと思う。2024/06/09
三代目 びあだいまおう
298
『ロスト・ケア』『絶叫』がとても良かったので。とある新興宗教の教祖が都心での機関銃乱射という凶悪テロを起こす!いたって普通の善人たちが、ふとしたY字路での選択によりまるで底無し沼に落ちていくように人生を変えてゆく。存在するはずのない黄金に輝く蝶の導きで意図せず深みに陥り、宗教に、テロに、この世の地獄に堕ちてゆく関係者を本書は描く。バタフライ・エフェクト!その時その選択をしなければ異なる未来があったのか?読後の余韻はあまり感じず、登場人物達の人生をパズルのように絡ませるスタイルに、正直馴染めなかった‼️🙇2020/03/02
イアン
168
★★★★★★★★☆☆実在したカルト教団をモチーフとした葉真中顕の長編。都内で発生した無差別銃乱射事件。目の前で息子を殺された母など、教団により人生を狂わされた人々の視点で綴られる群像劇。人生の岐路で揺蕩う黄金蝶。あの日、違う選択をしていたら運命は変えられたのか。複雑な構成ゆえに初読では伏線を拾い切れず、2度目で意外な人物のリンクに気付く。この辺りの手法は東野圭吾の『白夜行』に通ずるものがある。戦争・貧困問題・震災など、日本が見舞われた災厄をこれでもかと詰め込み、エンターテインメント作品へと昇華させた良作。2023/08/11
キムトモ
109
今度は宗教物…「絶叫」や「blue」に通じるものがありました。なんで直前に読んだ「ブラックドッグ」よりも面白く、人が弱まれば宗教を酔倒する者もいて、その周りで振り回される人々の苦悩がドミノ倒しのように連なる展開でした…今誰の話⁉️と迷子になり、こりゃ再読必要だなぁ〜〜の印象も…現実で起こった宗教団体のテロもどこかでドミノが変わっていればあんな大惨事は起きなかったかもね_| ̄|○(ノ-_-)ノ~┻━┻「絶叫」や「blue」のプロトタイプなのかもね…2019/08/15
アッシュ姉
107
壮大に広がっていくストーリー。どこまで繋がりを追うことができたか正直わからないが、いろいろと考えさせられ、とりとめのない思いがぐるぐると回っている。誰かの決断が、別の誰かの人生に影響を及ぼしていく。家族や知り合いを飛び越えて、全くの他人にまで。その決断も自分で選択したと思い込んでいるだけで、定められし運命に従っていただけだとしたら。バタフライ効果とは空恐ろしい。単行本のカバー裏の短編が気になるので読んでみたい。《607-697》2020/12/10