内容説明
大学生の圭吾は、ダイニングバー「Harakka(ハラッカ)」で金曜だけピアノを弾くアルバイトをしている。その店に十月から来るようになった、きれいで切なげな女性・深森(みもり)が気になっていた圭吾だが、当の彼女に声を掛けられ、その日から店の後に一緒に帰るようになる。そして自分のピアノで深森が涙を流すのを見た時、圭吾はたまらなく彼女を好きになり、深森も圭吾を想っていたことが分かって付き合うようになる。だが、深森と『カササギ橋』に行くと、彼女は初めて会ったのは五月だと言い出して――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ami*15
43
川瀬さんの前作を読んだ時の「この物語はどうなるのだろう?」というわくわく感がずっと忘れられなくて、新作もそのような感覚を求めて手にしてみました。今作は圭吾がバイト先で知り合った深森という女性は彼にとってどんな人物なのか?という謎が中心に描かれていました。前作と比べると謎があっさりしていた印象だったので、個人的にはもう少し物語に深みが欲しかったです。だけど切ない試練を乗り越えた2人の喜びを感じたラストは恋愛ものとしての安定感があって良きでした。深森が心惹かれた圭吾の演奏、きっと美しい音色なんだろうなぁ。2019/05/29
ゆなほし
32
バーで金曜だけピアノを弾くアルバイトをしている大学生の圭吾は、店に来る美しい女性深森と想い合うようになるが、彼女は思いもよらぬ事を言い…。満月とピアノと恋の美しい物語だった。トリックについては、もう少しケレン味があっても良いと感じたが、月、ピアノ、ジャズをテーマに盛り込んであるのは好み。これでFLY ME TO THE MOONが出ない訳がないと思っていたら、やはり物語の中の大切な曲として出ているのは評価が高い。昨今溢れかえっている特殊恋愛ものの範囲は出ないが、好みのテーマだったので良かった。2020/03/04
ゆきひと
3
著者の前作が見事に琴線に触れ、それ以来、およそ2年半(体感的には3,4年くらい)の間、一日千秋の思いで待っていた著者の商業2冊目。前作にあった透明感のようなものは今作もちゃんとあって、あっさりしているんだけど心に残る物語でした。難がないとは言わないけれど、でもそれを補って余りある良さがあるというのは前作と同様です。レーベルのHPに載ってるあとがきを読むと、そのことがより感じられるというか、僕もフィンランドの森の空を見れたんだなと納得できました。2019/06/02
チェス
2
ファンタジーだわー。図書館本2020/10/29
太郎
2
★★★★☆2019/05/30
-
- 電子書籍
- リモート(8)