内容説明
平成は終われど「昭和」は終わらず。私たちにとっての歴史の学びは、常に「あの戦争」が原点であり座標軸となる──著者の膨大な著作から次世代を照らす灯となる言葉、歴史証人の貴重な肉声を一冊に。東條英機、吉田茂、田中角栄らの真実に迫る保阪史観の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
11
5月の朝日新書新刊。本書は保阪さんのあまたの著作から昭和史に関わる「重要部分」を抜き出し編んだもの。各項はせいぜい2頁くらいの分量であるから、知識が得られるというより著者の想いに触れる本だ。しかし頭から読んでいけば何故著者が昭和史と向き合い、どのように物事や人物を捉えてきたかは浅く広く判るようになっている。特に時節柄か、上皇陛下が昭和史にどのような姿勢で対してきたかの事例を多く含んでいて、本書のハイライトになっている。 表紙が…通常の朝日新書カバーの上に二重表紙で下衆なものにわざわざしてある事だけが難点。2019/06/06
パトラッシュ
8
保阪氏が出した数々の本から昭和史に関する短文を抜き出して編んだ本だが、それだけ昭和の誤りや矛盾を一望できる。ここから興味を持った分野について著者が書いた本を改めて読むのも面白い。長年、昭和と向き合った結果としての歴史からの宿題として①ファシズムは歪んだデモクラシーのあとにやってくる②偏狭なナショナリズムは社会正義の装いでやってくる③復讐心が生み出す「戦間期の思想」が形に表れてくる―の3点を挙げるが、こうした事態を今経験しつつあるのは韓国でないか。つまり韓国はかつての日本と同様、戦争への道を歩んでいるのか。2019/06/16
ロッキーのパパ
7
評価は★★★☆(満点は★★★★★) 過去の論考をまとめた物。著者の考え方のダイジェストを知るにはちょうどいい。2019/08/24
Happy Like a Honeybee
6
戦争を知らない人たちへの啓蒙書。 昭和が消えゆく今こそ、歴史に学ぶ必要がある訳で。 無謀な戦争により米軍基地など現代でも影響があることを、考え直せる一冊だ。2019/10/23
路地裏のオヤジ
5
筆者がこれまで昭和史について語ってきた本のエッセンスをまとめたもの。2019/10/20