水辺のブッダ

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水辺のブッダ

  • 著者名:ドリアン助川【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 小学館(2019/05発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093865418

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内容説明

ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。

多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。
そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。
そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。

誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。

世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。

河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

117
読了後に去来するささやかな安堵と微かな哀愁。ない交ぜとなる感情をよそに強くうったえかけてくるメッセージ-『生きることをあきらめない』。さすがです、ドリアン(スマン、あえて呼び捨て)。生きる意志を失っていたのか死を求めていたのか。流れついた多摩川河川敷で新たなホームレス仲間と暮らし始めた望太。懺悔、贖罪、希望、出会い-過ぎし日をみつめ、明日にのぞむ。水辺での営みが再び彼に生をあたえる。…「どうしようもなくなったら二人で泣けばいい」-終盤、穏やかにほぐれていく絵里の心境に救われる思いです。2019/07/06

ゆみねこ

106
ホームレスになった望太には、重い過去があった。多摩川の河川敷で暮らすブンさんと知り合い少しずつ変わって行く望太。近くに暮らす、辛い毎日を送る女子高生の絵里。安直なハッピーエンドではありませんが、絵里が幸せに生きてくれたら良いと思いました。2019/06/23

mocha

98
人生のレールを踏み外すと、浮かび上がるのは難しい。過去の過ちからホームレスとなった望太。生き別れた娘は父の事情を知らぬまま実の母にも疎まれ、未成年で風俗嬢となる。どちらも泥沼を這いずるような毎日。いつか再会の日は来るのか?ホームレス仲間のブンさんが語る聖者のような言葉に、少しずつ上を向き始める望太だったが…。つらいけど先が気になって目を背けられない。こういう現実はきっとたくさんあるのだろう。望太が自分を赦し解放されるには、このラストしかなかったんだろうな。2019/09/30

いたろう

84
新宿から多摩川にたどり着いたホームレスの望太。川で死のうと思った彼は、河川敷のホームレスたちに助けられ、その地で暮らし始める。そこで出会ったブンさんは、哲学的な物言いをする、ホームレスたちの間で一目置かれる人物。そもそも望太は、何故、ホームレスになったのか。何故、毎夜のようにうなされているのか。ブンさんとの出会いは、望太に何をもたらすのか。そして、もう一人。家に居場所をなくし、未成年であることを隠して風俗で働く絵里。彼女の人生に救いはあるのか。それでも、今、この瞬間=「時間の先端」は、未来に向かっている。2019/06/12

ダミアン4号

76
社会からはみ出してしまった人達…何がいけなかった?と考えてみても…結論は出ない…運、不運?そういう巡り会わせだった?悲し過ぎる運命…過去に囚われ明日への一歩を踏み出せずにいる人達…流れ流れてたどり着いたのは多摩川河川敷…自らの罪を背負い続ける主人公…法的に罪を償う事が出来ても罪から逃れる事は出来ない…家庭は崩壊し、幼かった娘の運命を狂わせ…悪夢にうなされ続ける主人公…最後の最後の瞬間…彼に安らぎが訪れたと信じたい…主人公を助けるホームレス仲間も“表”の顔だけじゃない裏を隠してる…悟りを開いた様なあの老人も2019/09/24

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