140字の戦争 SNSが戦場を変えた

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140字の戦争 SNSが戦場を変えた

  • ISBN:9784152098627

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内容説明

ソーシャルメディアは21世紀の戦争をいかに変容させたか? パレスチナの戦禍をツイッターで発信し「現代のアンネ・フランク」と呼ばれた少女、スカイプを通じてイスラム国に勧誘されラッカに渡ったフランス人女性などに取材し、情報戦の知られざる実像に迫る。解説収録/安田純平(ジャーナリスト)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

68
かつての戦場は戦場で全てが決していた。そんな戦争がSNSの登場で、PCやスマホの中に盤面を移し如何に世界の世論の支持を集めるかに変化した様をレポートしたもの。爆撃に晒されるパレスチナの少女のツィート、一方それに対抗すべく発足したイスラエルの宣伝部隊。ロシアの嘘を暴いたブロガーがいると思えば、嘘を真実と信じ込ませようとするロシアの機関が一方にいる。様々な人に取材する中で、SNS等を通じた情報戦が姿を見せ始める。読んでると何が真実で何が虚構かどこか曖昧模糊とした不安定な世界に成りつつあると感じる一冊でした。2023/06/10

ゆかーん

56
直接的な戦いから、間接的な戦いへ時代は変化しているってことか…。世界中が平和を祈っているけど、テロは無くならずSNSでの情報拡散による、市民の混乱は続いている…。パレスチナの少女のツイッターの力で、たくさんの資金援助を得た一方で、ロシアでは政府が戦争をけしかけようと、一般市民を買収して、ありもしないデマを拡散させている…。同じSNSでも、時に正義にも悪にも変わるのが、言葉やナラティブの力。だからこそ、これからの私たちは、このたくさんの情報を見極めて判断することのできる、正確な判断力が必要だと感じます。2019/08/24

泰然

37
スイスの民間防衛は警告する。「戦争は心理戦の形をとるようになり、誘惑から脅迫に至るあらゆる種類の圧力を並べ立て、最終的に国民の抵抗意志を崩してしまおうとする」。本書はソーシャルメディア(SNS)で言論戦争を遂行する新タイプの人間「ホモ・デジタリス」の技術と生態をパレスチナ、ウクライナ、イスラム国、米国等の最前線から描き、SNSによる21世紀型戦争と情報戦略の便益と闇に迫る。事実や論理よりも当事者のナラティブ(物語り)が加速度的に重要視され、ハンナ・アレントの思考停止する凡庸な悪がより人の心を分断破壊する。2019/08/10

かふ

23
パレスチナのイスラエル軍のガザ侵攻で通常兵器では圧倒していたイスラエルだが青い目をした少女が爆撃の日々をナラティブに物語ることによって、国際世論では劣勢に立たされた。その反省からイスラエル国防軍はソシャールメディア局を置きハマスがパレスチナ住民を人間の盾として援助資金をトンネル建設に使っていたことを暴いた。それはアメリカのメディアによって取り上げられ世界に拡散されていく。国際世論は以前パレスチナ寄りだが、国内とアメリカメディアを味方に付けることによってイスラエルはいち早く情報戦を現代の戦争として活用した。2020/06/09

BLACK無糖好き

22
21世紀の戦争は戦車や大砲を使った物理的な戦争と、SNSを使った情報戦が組み合わされる。本書はイスラエルによるガザ侵攻やウクライナ紛争、対ISの情報戦などを取り上げている。マレーシア航空17便撃墜事件後のロシアによる虚偽情報の撒き散らしに対し、オンラインゲームのギーク達がオープンソースの調査を積み重ねてロシアの嘘を暴く過程は読み応えがあった。SNSの登場で国家から個人へ力が移行した面は確かにあるかもしれないが、政治の不安定化や、真実よりも物語が重視される等、世界は混沌としていく印象がある。2019/07/13

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