講談社選書メチエ<br> インフラグラム 映像文明の新世紀

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講談社選書メチエ
インフラグラム 映像文明の新世紀

  • 著者名:港千尋【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2019/05発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065162170

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内容説明

映像は現代社会の生活基盤(インフラ)である。これを「インフラグラム」と呼ぼう。通信は5G時代に突入し、軍事からコミュニケーションまで、インフラグラムはますます、情報社会の根幹をなしている。すべてが可視化されているようなこの映像文明において、わたしたちは何を見て、何に見つめられ、何を見ていないのか――?5G時代の映像論を、眼差しの歴史として考える。*写真の誕生から180年。「光による描画」の技術は、スマートフォンから人工衛星、地図、医療、娯楽から政治、軍事、戦争まで、情報社会を動かすインフラとなった。視線は労働し、〈わたし〉はデータ上に増殖している。こうして映像は、監視社会を強化するいっぽうで、他者が生きた時間を再起させる記憶の装置でもある。わたしたちの現在を、生と死を、そして自由とは何かを考える、〈眼差しの歴史〉。〈目次〉01 神経エコノミーの誕生02 インフラグラムの時代03 軍事の映像人類学04 空の眼05 記憶の身体

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

渡邊利道

2
画像技術がインフラと化した世界について考察する。三上晴子からブルトン(ナジャ)を経由してデュシャンにつなぎ、身体回路をテクノロジーに媒介されることで認識を更新し、純粋な視覚を取り出してみせる話から始まり、監視社会、米軍基地というもう一つの「帝国」(ワイズマンの映画)、ドローン、視覚の歴史性の問題と連なっていく。結論と言えるようなものはなく中途で放り出されるような感じがあったがなかなか面白かった。2019/08/10

junne

1
デジタル化によって社会の中の写真・映像の位置づけがどのように変わったのか。芸術分野からはじまって顔認識技術と監視社会、米軍基地のあり方、ドローンと軍事など。めちゃくちゃ面白かった2019/10/08

Mealla0v0

1
映像技術と戦争技術。まなざしの変容を、ポール・ヴィリリオのような思考回路で記述していく。惑星規模で映像が記録され、蓄積され、分析され、資源化されていく。まなざしは、監視社会論においては監視者のものとして描写されるが、ここでは監視される人々のまなざしが誘導されている点を指摘し、そうしたSNS的な在り様と、今日の監視やドローン戦争と接続して論じる。非常に読み応えのある本。2019/05/31

yo_c1973111

0
早逝された三上晴子の作品・展示を主に映画作品を中心に解析したりする。世界には様々な眼がある。「見えることと見えないこと」の章内サブタイトルからは『ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて』展(2018年、水戸芸術館)が思い起こされる。ヴィレム・フルッサーのいうように視覚や情報が”コード化”されている(いく)世界は理解できるが、物質性(存在感)が消失されるわけではないと思う。また技術進歩≒ブラックボックス化もちょっと大げさな感ありかな。ICの中身だって設計図や基本ロジックは存在するし。2020/03/15

すな

0
デジタル化は社会のありように決定的な転換を生じさせた。そのような特異点がもたらした変容を前提としつつも意識させない現代を著者はインフラグラムと名をつけ、テクノロジーや写真/映像、軍事などを考察する。4章からの展開は少し期待と違う方へと向かうが、私自身とても関心のある分野であり興味深く読めた。技術の飛躍的な発展に伴う高度化で、ブラックボックス化は深まる一方であろうし、データや先端技術がどのように運用されるかもわかりえない。良くも悪くもすごい時代、あまりに強大な世界に生きていることを改めて考える。2020/01/12

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