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内容説明
暴君に支配された「平成JR秘史」。
2018年春、JR東労組から3万3000人の組合員が一挙に脱退した。同労組の組合員はあっという間に3分の1に激減し、崩壊の危機に追い込まれてしまった。いったい、何が起こったのか――。
かつての動労、JR東労組委員長にして革マル派の実質的な指導者と見られる労働運動家・松崎明の死から8年。JR東日本が、「JRの妖怪」と呼ばれたこの男の“呪縛”から、ようやく「解放される日」を迎えたのか。
この作品は国鉄民営化に「コペルニクス的転換」といわれる方針転換により全面的に協力し、JR発足後は組合にシンパを浸透させて巨大な影響力を持った男・松崎明の評伝であり、複雑怪奇な平成裏面史の封印を解く画期的ノンフィクションである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
106
分厚い本なので一苦労。私が高校を卒業するときクラスの数人が当時の国鉄に入社した。国鉄には組合が3つあり入社した彼らも職場に応じた組合に入ったと聞いた。そこでは組合費が高いということを知った。同じ組合の人間が活動で懲罰になったときの救済にも充てられるという。それから数年後会社はJRに分割。その際に民間企業に行ったり子会社に派遣されたり。その後どうなったかはしらない。今では信じられないが電車がストでストップしたりそのストを合法するというスト権ストまであった。とても混みいった話でこの本だけでは書ききれない。 2019/07/11
まーくん
91
国鉄民営化前後の出来事が蘇る。累積赤字に陥った財務。労使対立による荒廃した職場。闘争を率いる最大労組「国労」と、より過激な鬼の「動労」。スト頻発に通勤客の怒りは沸騰。ところが民営化不可避と見定めるや、動労は一転、会社側改革派と手を握り分割民営化に協力。委員長松崎明のもと、組織温存、ライバル国労潰しのため、いわゆる”コぺ転”を行う。会社側と「労使協調」ではなく「労使対等の協力」を主張、JR東の経営に介入していく。本書はその後の松崎の動きを追っていくが、後継者を潰し、独善的になっていく姿は毛沢東を彷彿させる。2019/09/14
とくけんちょ
55
知らないとは、なんと恐ろしいことか。JRの暗黒史というか、日本社会の暗黒史。国の主要インフラの中枢を革マルに牛耳られていたとは。それだけにとどまらず、国政にまで。まさか、平成時代に、しかもJRのようなところで、内ゲバが繰り返されていたとは知らなかった。労組、組合に潜入して内部からコントロールするとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。極左勢力のその後を知るうえで非常に勉強になり、有益であった。2019/07/05
R
50
非常に興味深い一冊でした。昭和半ばから平成にかけて、JRの裏側に革マルの陰があったというお話なんだが、知らない身分で読むと驚くことばかりで目が離せない。日本における階級闘争、とりわけ、労働争議にまつわる戦いの歴史が垣間見れて、その果てに繰り広げられた内ゲバとはこういうことかと、その陰惨な血の歴史を知ることができた。頭のいい人たちが、懸命に、使命を全うしようとしたのだろうけども、電車が停まり、人が死に、一種の宗教じみた体裁になっていくグロテスクさに、時代を見たような気分になった。2019/08/19
姉勤
45
労働組合。本来、労働者が経営者からの理不尽な待遇に対し正当な権利を確保する法律に認められた活動だが。その労働組合が極左暴力集団、「革マル」に乗っ取られ、牛耳られていた。国鉄民営化からJRへ。昭和の昔話と思いきや平成の後半まで、革マルの幹部たる「松崎明」に壟断されてきたことを綴る本書。人事の専横、役員の殺害、組合費の横領と着服、鉄道テロの教唆。そして彼の死ぬまでそれは続き、残党は未だ残る。安全最優先の旅客業において、乗客である我々の命を人質に取ったような行為を、普段正義を謳う界隈が、沈黙している事の意味。2020/08/08
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