内容説明
日本一分かりやすい気象の解説者 森田正光氏とアメリカの竜巻に詳しいNHK国際放送の気象キャスター 森さやか氏が,竜巻のふしぎな実態について,これまでにない視点から分かりやすく解説しました。
竜巻といえばアメリカが本場という印象が強いですが,東京都民が一生の間に竜巻に遭う確率はアメリカ人とほとんど変わりません。気象庁によると,温暖化の影響もあって,将来,日本でも竜巻が倍増する可能性があるということです。実際に2000年代に入ってからも,佐呂間町,越谷市,つくば市などで,竜巻によって大きな被害がでています。
本書では,
・竜巻はどうやってできる?
・藤田スケールってなに?
・温暖化で竜巻は増える?
・日本も竜巻大国って本当?
といった竜巻の科学から
・竜巻が近づいてきたらどうする?
・竜巻の避難訓練ってどんなもの?
・竜巻がニワトリを丸裸にする?
といった竜巻から身を守る方法やミステリーまで,全33項目をQ&A形式で解説しました。
さらに終章では,世界に名を残す気象学者 藤田哲也博士を取り上げ,Fスケールを考え出した経緯やダウンバーストの発見,アメリカでの研究歴など,その挑戦心にあふれた生涯を紹介します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
105
竜巻のふしぎな実態についてイラストや図解でわかりやすく解説。発生メカニズムや藤田スケールは勿論、竜巻がもたらす深刻な被害や奇想天外なエピソード・伝説を交えながら様々な疑問に触れていく。竜巻の中を見た農夫の証言や突然空から生物の死体が降ってくる現象など「ふしぎ」は尽きない。考察が深入り出来ないこの希少現象、日本は多くがスーパーセルに由来しないので予測的中率は未だ一桁。圧倒的データ不足の前には都内家宅はF2、原発はF3まで耐えるというのもかなり訝しい。後半の具体的な対処法や敬意溢れる藤田博士の生涯も読みどころ2021/09/15
壱萬弐仟縁
27
トルネードはスペイン語tronadaが語源で雷の神。ハリケーンも同様にHurakanという神の名(9頁)。気温差が大きいほど積乱雲発達(17頁)。メソサイクロン:回転渦を持つ巨大積乱雲=スーパーセル(20頁)。藤田スケール:Fスケール。6段階。数字が大きいほど風速大(26頁~)。竜巻は地上では左巻、右巻双方ある(39頁)。スノーネード:冬季水上竜巻は雪を伴う(57頁)。ダウンバースト:強い下降気流(63頁)。気象庁気象研究所推測:2075-99年、F2以上の巨大竜巻発生。春は西日本や関東で2-3倍。2015/02/26
ゆうくま🐻🧸🧸🧸
5
竜巻について分かる本です‼️ 竜巻についてジミーに知ってそうだけど知らないのもあって良かったです2023/06/30
ともがら
5
おなじみの森田さんの著作 わかりやすい NHKブレイブを見て、藤田哲也氏関連で読んでみた 平行して「ニッポン天才伝」を読んでいるが、こういった方達をきっちりと学校教科書に掲載し知らしめて欲しい2016/12/09
こばこ
3
去年の刊行。竜巻に関するトピック集のような内容で、先行書に対する新鮮さはないけれど、森田さんはこういう、「世間が興味を持ちそうな所にライトな説明を持ってくる」ことには長けているなぁと感心させられる作り。ただ、取り上げるものがことごとくトピック抽出的で、これだけ読むと局所的な理解にはとどまりそう。(まぁそういうおいしいところをつまみ食いするようなところも森田さんっぽいのですが) あと、藤田先生については「ある気象学者の~」を読んだほうが早いだろうに、とも。2015/05/23