チャイナ・ウェイ――中国ビジネスリーダーの経営スタイル

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

チャイナ・ウェイ――中国ビジネスリーダーの経営スタイル

  • ISBN:9784862762696

ファイル: /

内容説明

正しく知ると、向き合い方も見えてくる。

グローバルビジネスにおいて存在感を高める中国。
しかし、GDPなどのマクロなデータや、
アリババやジャック・マーなど、
特定の企業に着目するだけでは見えないものがある。

アリババ、レノボ、ファーウェイ、ハイアール、バンケ……
急成長する中国企業のダイナミズムを、
世界最高峰のビジネススクールの経営学者が徹底解剖。
中国企業の経営について知りたければこの1冊!

早稲田大学の池上重輔教授による監訳・まえがき。
『チャイナ・ウェイ』はアリババの馬雲(ジャック・マー)や、
レノボの柳伝志(リウ・チュワンジー)などの
中国トップ企業のビジネスリーダー72名に対するインタビューと、
著者たちによる綿密な分析と考察を中心に構成されている。
中国のビジネスリーダーに関してこれほど包括的に研究し、
彼らの思考と行動パターン、
そしてリーダーシップの特質について説かれた本はおそらく世界初であろう。
――池上重輔(早稲田大学教授、本書監訳者)
目次
監訳者によるまえがき
第1章 序論 アメリカ流ではなく
・中国の重要性
・チャイナ・ウェイを理解する
・中国の巨富の創造者たち
第2章 自力での進路開拓
・1980年代と1990年代の中国の事業環境
・試行錯誤の果てに
・柳伝志のレノボ創業
・中国を飛び出したレジェンド
・王石のバンケ創業
・商社
・事業転換
・王石の新たな組織構造
・中国のその他の億万長者
・ハナジー創業で中国一の大富豪になった李河君
・欧米の影響
・結論

・巨富の創造者たちが語る「自力での進路開拓」
第3章 学習する企業
・自己管理型学習
・幹部候補向けの学習体験
・企業の学習の源泉
・リーダーシップ・コーチング
・学習への説明責任
・覆盤
・結論
・巨富の創造者たちが語る「学習する企業」
第4章 長期的な勝負を見すえた敏捷な戦略
・アリババの敏捷性
・分権化した組織体制
・はるか先を見すえるバンケ
・25%
・質の高い成長
・パートナーとともに成長する
・清廉さで導く
・リスクと失敗
・結論
・巨富の創造者たちが語る「敏捷な戦略」
第5章 人材管理
・共産党における人材管理の発展
・共産党に起源を持つ人材管理
・実力主義と職の安定性
・職場の教育とトレーニング
・文化的支柱
・会社独自の文化
・人による管理
・イノベーションによる管理
・結論
・巨富の創造者たちが語る「人材管理」
第6章 トップが絶対権力者
・ハイアールグループを変容させる張瑞敏
・ビッグ・ボスの権力
・人格
・謙虚でありつつも大胆に
・階層主義と現場主義
・粘着剤としての文化
・ボスの追放
・結論
・巨富の創造者たちが語る「ビッグ・ボス」
第7章 成長が金科玉条
・成長の要因
・何のための成長か
・成長のための政府
・人間関係は私から公へ
・海外進出
・中国の成長減速はそれほど悪いことか
・結論
・巨富の創造者たちが語る「金科玉条としての成長」
第8章 パートナーシップとしてのガバナンス
・コーポレートガバナンスの歴史が浅い中国
・中国のコーポレートガバナンスの特徴
・中国流のガバナンス
・監視役としての役員会
・企業リーダーシップにとってのコーポレートガバナンス
・結論
・巨富の創造者たちが語る「パートナーシップとしてのガバナンス」
第9章 独自性は何か、持続性があるのは何か
・学習の重要性
・知識の呪い
・政府とビジネス
・ボス
・株主の立場
・創業者の引退問題
・中国人リーダーの教訓から欧米が学べること
・永続的なものは何か
・結論
・巨富の創造者たちが語る独自性は何か、持続性があるのは何か
付録1 チャイナ・ウェイの成長
付録2 インタビューした中国人ビジネスリーダー
謝辞
参考文献
原注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

16
日本にとって中国企業の脅威は日々増しているのに、その経営スタイルを論じた書物は寡聞にして知りません。本書は待望の書籍。著者は、特徴を7つに分類します。絶対権力者、成長志向、ガバナンス、自力の進路開拓を除く3つの特徴を述べます。まず学習する企業。リーダーは自力で経験的に学習しながら経営能力を身につけ後継者にコーチングしていきます。1分1秒疎かにしません。頭が下がります。レノボの覆盤が鍵概念です。長期勝負を見据えた敏捷な戦略は中国らしい経営です。最後に人材管理。大家族的な企業文化からどう脱皮できるかが課題です2020/02/09

Hatann

7
ウォートン校の教授が中国のビジネスリーダーの経営スタイルを分析する(原著は2017年に発刊)。中国のビジネスリーダーは改革開放後に誕生して自力で進路を開拓してきた。学習を重んじ、長期的な勝負を見据え、目先を較正しながら柔軟に戦略を推進する企業が生き残る。米国の会社と異なり、株主利益よりも、顧客・従業員等のステークホルダーへの還元を重視することも中国的だ。これらの根底を支える忠誠心や義務感が一人っ子政策等の影響を受けて薄れてくる次世代にて、いかに企業文化を継続させるかが課題となる。客観的で非常に面白い良著。2019/05/24

akiapa2

1
原著は2017年。登場する中国のリーダーはまさに起業第一世代。政府、国有企業中心の共産主義から経済解放へ市場環境が大きく変化した時代。民間企業の前例がない中での自力開拓、トライ&エラーの中で学習を重視する姿勢、トップの絶対的な権力構造による思い切った意思決定など求められる経営スタイルは時代にリンクすると感じた。筆者が挙げた要素は実は中国特有ではなく、戦後復興を遂げた日本企業や、未知のIT技術に熱狂したシリコンバレーのリーダーも同じではないかというのが正直な感想。2023/10/31

ishicoro

1
中国でまだまだ不正や賄賂が横行していた20-30年前から創業し、生き延びた企業は誠実に事業に取り組むだけでなく欧米から必死に学ぼうとしていたのかなと。ジーりーがボルボを買ったのもマネジメント含めた学びが一つの目的だったんですね。中国と北欧は相性が悪そうでしたが、ボルボ自体にあまり口出ししない形を取ることで今のところはうまくいっている印象。インドなどこれから伸びる国で優良企業を見極める参考になるような。2019/11/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13772016
  • ご注意事項

最近チェックした商品