ちくま新書<br> 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

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ちくま新書
不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か

  • 著者名:古田徹也【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2019/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480072139

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内容説明

我々がこの世界で何をなし、何を受け取るかは、「運」というものに大きく左右されている。しかし、あるべき行為や人生をめぐって議論が交わされるとき、なぜかこの「運」という要素は無視されがちだ。特にその傾向は、道徳や倫理について学問的な探究を行う倫理学に顕著である。それはいったいなぜだろうか。本書では、運が主に倫理学の歴史のなかでどう扱われ、どのように肯定や否定をされてきたのか、古代ギリシアから現代に至る人々の思索の軌跡を追う。そしてその先に、人間のあるがままの生をとらえる道筋を探る。

目次

第I部 「運」の意味を探る
第1章 現代における「運」
第2章 古代ギリシアの文学作品における「運」
第II部 「運」をめぐる倫理学史――古代から近代までの一断面
第3章 徳と幸福の一致を求めて――アリストテレス以前
第4章 アリストテレス
第5章 ストア派
第6章 後世へのストア派の影響――デカルトの場合
第7章 アダム・スミス
第8章 運に抗して――現代の手前まで カントとヘーゲル
第III部 道徳と実存――現代の問題圏
第9章 道徳的運――トマス・ネーゲル
第10章 倫理的運――バーナード・ウィリアムズ