内容説明
子規との出逢い、漱石との思い出、のちに俳風をめぐり対立した畏友、碧梧桐への敬愛――。退学と転校を繰り返した青春時代、引き継いだ「ホトトギス」の経営苦難など迷走と模索をし続けた日々と森鴎外、幸田露伴、黒岩涙香、柳田國男などとの交遊を振り返る。一九四二年、中央公論社から刊行された知られざる自伝を初文庫化。〈解説〉岸本尚毅
目次より「同窓学誌」と碧梧桐
ベース・ボールと子規
第三高等中学校入学
碧梧桐上洛して同宿
復校後第二高等中学校に転ず
間もなく退学決行
「小日本」の廃刊
藤野古白の自殺
子規の委嘱を辞退
鴎外との関係
露伴と私
漱石と宮島に
湖南の新婚旅行
万朝報入社
「ホトトギス」を主幹
子規の死
文章熱の勃興
国民新聞に入る
碧梧桐派と虚子派
松山時代の漱石
ヨーロッパの旅
俳句の翻訳
日本俳句作家協会の結成
選者生活五十年
善悪良否の標準
文章の誘惑
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y.C.STUPID
1
この時代の文筆家まわりの人間関係は濃ゆくて楽しい。内容としては間延びした印象。雑誌の経営難やらの苦労を余りにも超然と受け流しているので、すごいのに結果的に山ナシみたいな…不思議。ホトトギスの復活は絶対大変だったと思うのでもっと掘り下げがあれば知りたいですね。2020/02/12
めーてる
0
某文豪ゲームなどで虚子が気になっている人には是非とも読んでほしい、高浜虚子の自伝的作品。碧梧桐との関係や、本人が様々な批判についてどう思っていたのかなど、気になっていたことが分かってとても良い。文章も読みやすいので、オススメ。2019/07/23