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内容説明
昭和16年2月から昭和17年1月の間、横浜市戸塚区矢部町第6隣組に回覧された「隣組回報」をひもとく。終わらぬ日中戦争、日米開戦に備えた統制強化、真珠湾攻撃へと至る激動の1年間、人々はどう生きていたのか。隣組回報という強力なメディアに支配されていく国民の実像に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小出享一
1
隣組を通しての戦時下の監視システムがよく分かる。2013/12/02
kawasaki
1
横浜のある町の隣組回報(いわゆる回覧板)の内容を紹介しつつ、対米英開戦が迫る1941年(日中戦争下)の庶民生活について触れる。著者が銀行に務められていた方だけあってか「お金」に関する記述が丁寧。貯蓄・国債購入「奨励」という名の強制や、家屋にランク付けしての市民税の賦課等々、「お上」から降ろされてきて生活の隅々を統制する指示は読んでいるだけで息苦しい。面白いと思ったのは回報の伝達速度から、常時家に誰かがいて近所との交流が夜遅くまで密であったという暮らしのあり方が見えてくるという話で、史料の魅力に心惹かれた。2013/09/26