測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

個数:1
紙書籍版価格
¥3,300
  • 電子書籍
  • Reader

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

  • ISBN:9784622087939

ファイル: /

内容説明

測定そのものの目的化が、教育、医療、ビジネス、政府活動など様々な組織を破壊する事例をあげ、経済学者がその原因と解決策を示す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

60
測る。評価のためのデータ収集・分析・評価。一見、正しいようで、実はそうでもないリスクが高いことを、論理的に展開している1冊。まさしく、こういう視点を持っていないと、形骸化・悪影響となる。ますます、こういう傾向が高くなる中、それだけに眼を向けるようになり、肝心なものが忘れされるし、納得感も薄くなり、組織の硬直化につながる。難しいことだが、絶えず、見直し続けることだ。2020/11/20

sayan

42
みすず書房の書籍は、その高い専門性(人文系)と装丁の白に引き付けて「白難解」と言われる。ところが本書は趣が異なる。タイトル通り、本書では「過剰な測定や不適切な測定」がもたらす弊害、つまり測定基準への「執着」を議論する。説明責任と実績測定をセットにする風潮は「実績測定で(個人が)判断されることがクセづくとイノベーションが妨げられる(人は失敗のリスクが高い行動を避ける)」とする一文は常に新鮮さ失わない。測定基準が脱熟練(合理化=経験と勘への依存脱却)の促進と自由裁量の喪失にあると著者が展開する議論は興味深い。2020/04/30

shikada

30
数値目標を重要視しすぎることの弊害を述べた一冊。数値目標は、一見非常にわかりやすい指標で、その達成度に応じて報酬が与えられる組織も多い。しかし、その数値目標を達成すること自体が目的化すると、弊害が生じる。極端な例では、生徒のテストの点数をアップした教師にボーナスを与える制度を作ると、教師はテストで高得点を取るための小手先の技術ばかり教え、学力の低い生徒を「障害児」として分類して評価対象から外す。死亡率の低下を目標にする病院は、重症患者を受け入れなくなる。そうした本末転倒が起きる理由を丹念に説明している。2020/07/31

きゃれら

23
自分の仕事は実質業績の数値分析みたいなことが多かった。数値化できないことは改善できないみたいな言い方に共感してたこともある。でも今は確信を持って否定できる。大事なことは数値化できない。本書は、数値化の罠にハマった米英の病気についてのレポート。数字の中身がちゃんと分かってない人が、数字に基づいて判断することの怖さがよくわかる。正直、よくわかっていることについての記述だから僕にはそんなに面白いものではなかったが、「数値化の鬼」みたいな本に感心している人にはいい解毒剤かもしれない。2023/05/07

チェアー

16
計測不可能なものを無理やり測定して評価しようとすると、無理が生じてしまう。人間は測定が好きなこと、測定される機会があれば、自分をよく見せたくなること。その特性を理解していないと間違った評価をすることになる。測定しにくいものについては、結局熟練の専門家による評価が最も近いということなんだろう。大切なのは測れないものがあるという認識と謙虚であることだ。2019/10/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13574094
  • ご注意事項

最近チェックした商品