内容説明
家康にも真っ向から逆らった“天下の御意見番”大久保彦左衛門とその矜持を描いた歴史長篇。
主君のことを思えばこそ、主君におもねってはならない――頑固一徹、家康に対しても己の言を曲げなかった徳川家の譜代、大久保彦左衛門。
その強情な性分から、元和偃武を迎えたときの禄はわずか千石だった。そんな彦左衛門が子孫に向けて書き遺した『三河物語』には、徳川家と、それに仕えた大久保一族の歴史が描かれている。
彦左衛門が語る侍の本分とは?
直木賞作家が、緻密な考証で生き生きと紡ぐ本格歴史長篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
15
【図書館】【速読】【再読】:面白かった。読ん進めるうちに一度読んだことを思い出す。それでも最後まで読了。『三河物語』を小説化した本。日本戦国期安土桃山時代の徳川宗家の配下であった大久保彦左衛門が子供たちに家訓として残すために書いた本で、当時の人間関係や政略、軍略、時代を生き残る方法までがツブサに書かれており、現代訳語版でで読みやすくて読んでいて楽しい本だった。2023/03/14
Book Lover Mr.Garakuta
10
史実的に、そうなんかと思ってしまうほど面白い、家康も人に恵まれたんだなと感じた。2019/04/27
Narumi
3
「三河物語」を軸に、その著者である大久保彦左衛門の人生を追うという感じの内容です。「三河物語」に対してこの本の著者である佐藤氏の解説というかツッコミが入るのでわかりやすい。大久保彦左衛門は徳川家譜代の家臣であることに誇りがあり、けれど嘘がつけない性格でお追従などは言えない、そのために結果として不遇な部分があり、それに対して恨みはあるみたいな複雑な感じが、笑っちゃ悪いけどちょっと笑えます。ところで佐藤氏が去年亡くなっていたことを知りませんでした。ってことはもうシリーズの続きはないのでしょうか。ショック。2020/12/14