内容説明
「善」とは何か
私たちは、ふつう、「道徳」あるいは「善」という理念のようなものがどこかに存在して、それに依拠してみずから生活の秩序を組み立てていると考え、また日々そのように振る舞っている。
しかし、では、その「道徳」あるいは「善」とは、どんな姿をとっており、それがいかなる理由によって根拠づけられるのか。
プラトン、カント、ニーチェ、J・S・ミル、和辻哲郎を超え、「倫理問題」の拠ってきたるところと、それが含む厄介さについて、徹底的に明らかにする。
目次
第I部 道徳はどのように立ち上がるか
第一章 良心の発生
第二章 善とは何か
第II部 西洋倫理学批判
第三章 プラトンの詐術
第四章 イデアという倒錯
第五章 カントの道徳原理主義
第六章 ニーチェの道徳批判
第七章 J・S・ミルの功利主義
第III部 人倫がもつ矛盾をどう克服するか
第八章 和辻哲郎の共同体主義
第九章 人間関係の基本モード(1)性愛・友情・家族
第十章 人間関係の基本モード(2)職業・個体生命・公共性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
21
「善」とは絶対の存在ではない。真理ではない。仮に世界を構成するモノが自分一人だとしたら善も悪も存在しない。他者との関係性の中で、つまり社会の、共同体の中で「善」とは何かと始めて定義される。当然のようにそれは時代や社会の流れとともに姿を変え続けていく。正義感をもつことって基本的には肯定されるけれど、そんなにあやふやな善やら悪やらの上に構築される正義をそんなことを考えもせずに無自覚に振り翳すって恐ろしいよねえ。正義とか善とか道徳とか、美しい言葉に酔わないようにその裏側を考える姿勢を忘れずにいたいな。2019/09/24
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