内容説明
極限まで研ぎ澄まされた文体と緻密な描写、文学的技巧を尽くして爆発的瞬間を描く――加速する現代に屹立する十二篇。単行本版に加筆・修正を加え、最初期の短篇「犯罪捜査」の改作を加えた完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
67
完全予約制の銀行の待合室のソファで『道』を読んでしまい、盛大に吹き出し、このコロナ禍のご時世に、さらに激しく咳込んでしまったわたしに冷静なレビューなど上げられるはずもないのだった。読み終えた今、おもむろに見たこの装丁。カバーもつけずに読んでいたことに、いまさら慄いて追い打ち。そして文庫ではジェロームが足りないことに気づき、自身の不明を罵りながら単行本をポチる読書の秋ですなあ。2021/09/24
南雲吾朗
58
ぶっ飛んでいる。うん、これは最高だ!万人にうける本ではなく、かなり読み手を選ぶ。「反戦の日」で「希望の国のエクソダス」をクソ小説と書いちゃうあたりが、更にぶっ飛んでいる。「観光」でのあの空白も常識では考えられない。日常には常に狂気が潜んでおり、何の前触れもなく突然襲ってくると本当に感じさせる本である。この本を出版した編集者は凄いと思う。ところで、文庫版のあの表紙、大丈夫なの?2023/02/09
ピロ麻呂
33
アメトーーク読書芸人で光浦靖子が紹介していた作品。なんじゃこれ?訳がわからない…ごめんなさい。僕には合いませんでした(T_T)2019/03/11
ネムル
20
もうこーゆーのいいよ……、ていう保守的な自分がいるわけだが、「反戦の日」「道」に爆笑し、「globarise」のラストのかっちょよさに痺れた自分もまた否定出来ない。2019/03/20
そふぃあ
19
トイレ行くたびサービスエリアのくだり思い出してしまって何とも言えない。 心底下品な内容に対して、すんなりと頭に入ってくるあの表現力と文章の上手さ。。 読まない方がいいですよと言っても、既に読んだ人なら誰もが納得してくれると思う。 私は良いとも悪いとも評価できないです。2020/11/09