内容説明
江戸は飲み水に不自由な土地であった。町の発展ひいては幕府の威令をいきわたらせるため、多摩川の水を江戸に曳くという壮大な計画が生れた。多摩川上流に生をうけた土木業者、枡屋庄右衛門・清右衛門兄弟は、目先の利益を排して見事入札に成功、数多の困難に立ち向う。若い兄弟の不屈の闘いをえがく歴史巨篇。玉川上水開墾に雄々しく立ち向かう若い兄弟の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃいろ子
32
玉川上水開削案が持ち上がった時に、老中たちが大反対。それを諌めた保科公の言葉がとても印象深くこちらを。 読むのが止まらなくなる面白さ! 期待した保科公は名前が出たくらいだったのは、ちょっとガッカリしたが、そこも気にならない面白さ。 まずは、『上水道を設置して多摩川の水を江戸市中に引きこみ、町民の飲料用に配水する』 大工事を何としても一手に引き受ける為に桝屋の兄弟が動き出す。 江戸中の土木業者たちとの駆け引きも面白い。 やっとそこに競り勝つと、喜びも束の間、新たな問題が次々と勃発する。 その問題たちも→2025/10/12
suzuki
2
四代目将軍家綱の頃に実行された、多摩川上流から、人口急増で渇水状態にあった江戸市中へ上水路を引くプロジェクト。 主役である玉川兄弟、商売敵、徳川幕府の中枢や末端の官僚、道中の村人など、プロジェクトにかかわった人物を丁寧に活写しており、読み応えがある。 上巻は、勢いのある続きが気になるシーンで終わり、下巻を読みたい気持ちを掻き立てる。 2019/10/18
kmori299
2
電子書籍にて読了。ブラタモリで玉川上水を知り、子どもが社会科でも習っていたので興味があったところに、書評家さんが著書で取り上げていたので読んで見た。大変読みやすかった。奉行と心を通じ合わせるシーンがとても良い。2019/06/01