文春新書<br> キャッシュレス国家 「中国新経済」の光と影

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文春新書
キャッシュレス国家 「中国新経済」の光と影

  • 著者名:西村友作【著】
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2019/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166612130

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内容説明

現金が消えると、どのような社会になるのか!?
「キャッシュレス国家」中国の実態を、北京在住の日本人経済学者が徹底分析!

いま日本では国をあげてキャッシュレス化を推進しているが、そのはるか先を行くのが中国だ。スマホの決済アプリが広くいきわたり、いまや電子マネーで払えない場所はほとんどない。

こうした経済システムは中国で「新経済」と呼ばれている。本書では、いま中国で続々と誕生している新ビジネスを紹介。カーシェアリングやシェア自転車といった有名なものにはじまり、料理や食材のデリバリー、無人カラオケ、小型フィットネスジム、さらには病院の受付、支払いまでスマホひとつで済んでしまう中国の今が分かる。

では、なぜ中国で「新経済」が発展してたのか。その背景にはイノベーションによる経済成長を目指す中国政府の後押しがあったことを、データを駆使して示す。

そして今、「新経済」はビジネスの枠を超えて、中国政府の社会統治(ガバナンス)に活用されようとしている。キャッシュレス経済とは個人情報を利便性と交換するシステムだ。だからプラットフォームには必然的に個人情報が集まる。個人の信用情報を用いた壮大な社会実験に取り組む中国の現状を考察する。

最後に指摘するのが新経済の「影」だ。中国では新しいビジネスが数多く誕生しているが、成功ばかりでなく、失敗するケースも少なくない。そうした現実を指摘した上で、日本が「中国新経済」と、どのような協力関係を結べるのかを考察する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

71
ストリートミュージシャン(二胡弾きの老人)のおひねり箱にも、農産物売りの馬車の荷台にもQRコード。 急速なキャッシュレス化。スマホ社会。 コロナ前の本だから、今どうなったか。 ますます拍車がかかったのでは。2021/07/01

hk

23
簡にして要を得るという言葉がピタリ当てはまる良著だ。著者は長年にわたり中国の大学で教鞭をふるい、中国の変遷を肌身で知っている。さらには教員という職業柄、若者と触れ合う機会が多く、最新事情に精通しているのだ。そんな著者だからこそ具体的なシーンを描写することが出来る。よって現下の中国でどんな風にキャッシュレス経済が進行しているのかが臨場感たっぷりに伝わってくる訳だ。さて本書によればキャッシュレス国家・中国のキーワードは、「社会問題の解決」と「信用」、この2つだ。2つの融合が中国社会発展の原動力となっている。2019/11/25

魚京童!

15
信用を何で得るかだよね。昔は同等の金だったのに、いまは何にもない。だったら別に信頼なんていらないよねって話だよね。私の会社を信じてくれるなら、お金があることにしておくってだけ。マスが大きくなればなるほど有効になる。口座なんていらないよね。まっとうな仕事をしていて、結婚しているかどうか、土地を担保にできるかどうか。そんなんどうでもいいよね。私を信じてくれますか?それだけの話になった。ヒトはいつか裏切る。だからずぶずぶに手を突っ込む。ドイツとロシアはそうやったのに、裏切られて気分だ。いつか裏切る。どっちが先か2022/07/03

さり

9
参考文献が多く、事実に基づいて書かれているから信用できる。2024/03/26

よっしー@challenge

7
中国でキャッシュレスが浸透した背景に迫る。ポイントはPCやスマホによる"IT化"と元々国家的に課題視されていた"信用"と理解。国は違えど「どこでも使える」「無料で便利」に人間は目がない。中国では紙幣の破損等でATMや自動販売機が日本よりも断然未整備で現金経済が元々不便。銀行振込のために長蛇の列等。そこにアリババやテンセントが評価システムを広め、ヒトの承認欲求をも刺激する「ITの信用取引」を確立。 民度が上がると副次的におもてなしの精神が宿るのかヒトの性質なのか。理念や奉仕の精神のなかにヒントがありと説く。2022/05/13

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