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内容説明
旅に病んで夢は枯野をかけめぐる──松尾芭蕉、最後の句として知られる死の四日前深夜の「病中吟」である。日々旅にして旅を栖とした俳聖の、最期のイメージに相応しい。けれども実はその翌朝、弟子二人を枕頭に呼び「清滝や波に散り込む青松葉」を遺している。「改作」というのだが、これこそが辞世の句である。「不易流行」「軽み」そして最後の一句へと、境涯深まる芭蕉最晩年の五年半に焦点を当て、その実像に迫る。
目次
第1章 「芭蕉」の誕生――旅と庵住
第2章 「おくのほそ道」の旅の実際
第3章 「不易流行」――俳諧の古典へ
第4章 芭蕉庵での晩年の生活
第5章 作品『おくのほそ道』の誕生
第6章 芭蕉、最後の一句
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
2
よく調べているな、と感心。不易流行がキーワードになっていることがよく分かった。またおくのほそ道が旅紀行をベースに何年も練られたものであることや、作品の多くが膨大な古典を意識して作られたことなど参考になった。2016/04/22
やま
1
芭蕉のことを理解できる一冊。 不易流行の解説、軽み の意味など、何となく理解していたつもりでいたことが実際は違っていたことに気付いた。 最後の句が、「旅に病んで夢は枯野を駆け廻る」ではなく「清滝や波に散りこむ青松葉」という。これも新たな発見。2012/07/12
たつのすけ
0
◎2023/02/15