内容説明
日本人の「無宗教」は世界の最先端だった!?
一神教世界で急伸する「無神論」を詳細に検討し、日本人の「無宗教」と比較して論じる画期的な書。
キリスト教が文化の基盤となっている欧米で、最近「無神論」が急成長している。
もともと「無宗教」だった日本と表面的には似てきたように見えるが、内実はかなり違う。
宗教をめぐる日本と欧米の違いを明らかにし、
「無神論」と「無宗教」が相互に影響を与えるであろう将来を予測する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
36
大事なのは、「無神論者」を名乗っている人でも、ドーキンスなどの権威のお墨付きによって無神論者になっている場合が多いだろうということだ。無神論運動にも、どこかしら宗教運動に似た性質がつきまとう2020/08/27
trazom
23
宗教学者という肩書の人には「信仰」というものがないのかもしれない。「信仰」を踏まえずに宗教を論じることに何の価値があるのだろう。本書の中では、一神教に対する悪意に満ちた批判が溢れ、読んでいて胸糞悪くなる。ファンダメンタリズムへの糾弾が論調の大部分を占めるが、恰もそれが一神教全体への批判のように巧妙にすり替えられている狡猾さも許せない。バートランド・ラッセルのような冷静な無神論とは無縁の扇情的な論理を振り翳しながら、中立客観的な立場を装い、著者自らの思想的ポジションが明確に示されないのは残念である。2019/09/11
GASHOW
9
西洋にとっての神は、キリスト教であり、中東では、イスラム教。日本は、宗教が多数存在していて、国民の宗教は存在しない。宗教を大きくくくると仏教の割合が多くなる。お盆やお彼岸に帰省して、仏壇や墓参りをしたり、葬式をあげるのが一般的になっているから、無宗教でも外国人からみれば宗教儀式に見えるだろう。緩く文化だ。西洋は、宗教戒律に縛られる。ドラマのシリコンバレーで、IT業界でクリスチャンだと偏見がすごいという。事実は知らないが、教義と科学の解離を考えるとうなずける。そうなると無神論者になるしかないのだろう。2019/12/19
ソフィア
8
例示もふんだんに用いられ、分かりやすい本だった。大学時代にキリスト教学を履修した時にも「ジーザス・キャンプ」が教材に使われていたが、多くの日本人にとっては西洋人よりもキャンプでの洗脳のような光景が奇妙に映ることだろう。過激な宗教活動を見ると、根拠や論理に基づいた反論にも思える無神論こそ正義であると錯覚する。だが、宗教の本来の目的は、精神の安寧のはずであり、科学的論理や科学技術には限界があるだろう。何事もやりすぎ注意ということと理解し、冷静に宗教・科学・社会を見守りたい。2024/04/02
紙狸
6
2019年4月刊。宗教学者の解説ではなく、現代に生きるモノを考える人間が、宗教について自分の頭で考えて整理した、という印象を受けた。キリスト教文化圏における「無神論」と、仏教の影響を受けた日本の「無宗教」を対比させる。キリスト教(など一神教)の神に、世界を創造した神、奇跡を起こす神、規律を作り保つ権威としての神の3つの側面があると指摘する。こうした整理は役に立つ。惜しいのは、第1章で「欧米」をいっしょくたに論じ、無神論の興隆を説いている点だ。アメリカにおける信仰の現状(無神論者はごく少数)とずれている。2019/07/30
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